いい‐すべら・す【言(い)滑らす】
[動サ五(四)]言ってはいけないことまで言う。口を滑らす。「『…女中はわたくし一個(ひとり)』と—・して噤(つぐ)む口」〈逍遥・細君〉 [動サ下二]に同じ。「底意の悪を座興になし、—・する...
い‐ぐるし・い【居苦しい】
[形][文]ゐぐる・し[シク]居心地が悪い。そこにいても楽しくない。「—・い喫茶店」「自分はこの—・く又立苦しくなった様に見える若い細君を」〈漱石・行人〉
うけ‐が・う【肯う】
[動ワ五(ハ四)]承諾する。肯定する。「細君の云う事を—・った」〈漱石・門〉
おし‐こ・む【押(し)込む】
[動マ五(四)] 1 押して中へ入れる。無理に入れる。詰め込む。「本をかばんに—・む」 2 無理に入り込む。押しかける。「いきなり細君が—・んで来た」〈秋声・爛〉 3 強盗に入る。「二人組が—...
かき‐のぞき【垣覗き】
垣根の間から中をのぞくこと。また、物事の一部だけを見ること。「只うわべのみを—して努々(ゆめゆめ)それを羨む勿れ」〈逍遥・細君〉
きげん‐かい【機嫌買い】
[名・形動] 1 他人に対する好悪の感情が変わりやすいこと。また、そういう人や、そのさま。「—な彼がどの位綿密な程度で細君に説明してやったか」〈漱石・道草〉 2 人の機嫌を取ること。また、その人...
きゅう‐しょ【灸所】
1 灸をすえて効きめのある場所。つぼ。また、灸をすえた跡。 2 「急所1」に同じ。「—を中(あて)られ、…悶絶す」〈逍遥・細君〉
くん【君】
[音]クン(呉)(漢) [訓]きみ [学習漢字]3年 〈クン〉 1 民を支配する者。王侯。「君王・君主・君臨/暗君・主君・神君・大君・暴君・名君・明君・幼君」 2 人を尊敬して呼ぶ語。「君子/...
け‐ぶり【気振り】
それらしいようす。気配。そぶり。「細君が主(あるじ)の好奇を喜ばない—が、お庄には見えすくように思えて来た」〈秋声・足迹〉
けん‐そ【険阻/嶮岨】
[名・形動] 1 地勢のけわしいさま。また、その所。険峻(けんしゅん)。「—な山地」 2 顔つきなどのけわしいこと。また、そのさま。「彼の細君は—な顔を彼にむけて」〈宇野浩二・苦の世界〉