わけではない/わけにはいかない/べきで(は)ない/もので(は)ない/とは限らない の解説 - 小学館 類語例解辞典

わけではない/わけにはいかない/べきで(は)ない/もので(は)ない/とは限らない の共通する意味

当然・必然の否定および否定形による当為を表わす。

わけではない/わけにはいかない/べきで(は)ない/もので(は)ない/とは限らない の使い方

わけではない
▽日本人だからといって、だれもが歌舞伎や能にくわしいわけではない
わけにはいかない
▽いくら平等だとはいっても、体力の違う男女に全く同じ仕事をさせるわけにはいかない
べきで(は)ない
▽裏で暴力団と取引をしているような政治家には投票するべきではない
もので(は)ない
▽男の子はそんなことぐらいで泣くものではない
とは限らない
▽あなたは結婚するつもりでも、相手がその気になっているとは限らないじゃありませんか

わけではない/わけにはいかない/べきで(は)ない/もので(は)ない/とは限らない の使い分け

「わけではない」は、必然の否定を表わし、ある事実を知った聞き手がそのように推論するだろうと話し手が想像し、その推論を否定する言い方である。このほかに、極端な例をあげて否定し、現実がそれよりも程度の軽い、対応しやすい状況であることを表わす用法(「海外に行くといっても留学するわけではないのだから、簡単な会話ができれば大丈夫だよ」)、「ないわけではない」の形で、ある程度はそうであるが、と消極的に肯定する用法(「この高校でも留年する生徒がいないわけではないが、毎年ほんの数人だ」)がある。
「わけにはいかない」は、当然そうすべきだし、そうしたいと思うのだが、そうはできない事情がある、という気持ちから不可能を表わす。「ないわけにはいかない」の形で、「なければならない」「ざるを得ない」と同じ意味を表わす用法もある。「ふだんはつきあいのない親戚でも、病気だと知らされればお見舞いに行かないわけにはいかない
「べきで(は)ない」は、道理や本性などから考えて、そうするのはいけないという判断を表わす。
「もので(は)ない」は「べきで(は)ない」と同じ意味を表わすことがある。また、「急にスピーチをしろと言われても、そう簡単にできるものではない」は、否定の形で物事の本性・本質・習性などを述べる用法である。
「とは限らない」は、…とは断定できない、…とは決まっていない、といった当然の否定を表わし、それとは反対の事柄が起こる可能性をにおわせる表現である。

参照

ものではない⇒てはいけない/てはならない

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