なければいけない/なければならない の解説 - 小学館 類語例解辞典

なければいけない/なければならない の共通する意味

義務・当然・必然・必要・勧告を表わす。

なければいけない/なければならない の使い方

なければいけない
▽行きたくなくても、約束したのなら行かなければいけない ▽天ぷらをおいしく揚げるためには、材料が新しくなければいけません
なければならない
▽生きていくために朝から晩まで働かなければならなかった ▽夫婦は対等でなければならないというのが母の持論だった

なければいけない/なければならない の使い分け

二語とも、そうする義務や責任がある、そうするのがあたりまえだ、当然そうなるはずだ、などの意。動詞を受ける場合には、自分の決意や他からの強制、周囲の状況から見て当然と思われる行為などを表わす。形容詞・形容動詞や「名詞+だ」を受ける場合には、本性や成り行きなどによってそういう状態であることが当然、または必要、さらには望ましい、といった意識を表わす(「政治家は心が清くなければいけない」「夫婦の仲は円満でなければならない」)。なお、「いけない」「ならない」は、文語形あるいは方言の形では「いかん」「ならぬ(ん)」のようにもなる。また、過去形・丁寧体・会話体など、さまざまな形がある。
「なければいけない」は、相手に向かって、その状況において最も必要とされる行為や最も望ましいと思われる行為を要求したりすすめたりする表現である。そうするのがあたりまえだ、という強制的な意味合いで使われることも多いが、実際にどのように行動するかは相手の判断に任されるような場合が多い。
「なければならない」は、法律・規則・道徳・慣習などによって義務づけられていて、個人の意志で選択する余地が全くない事柄や、個人的な問題でも自分の意志で勝手に変えることが許されないような事柄、また、状況から見て必然的と考えられる事柄を表わす場合に用いられる。「なければいけない」が直接相手に向かって使われることの多い表現であるのに対し、「なければならない」は人間一般や第三者について使われやすく、法律の条文などにも多く見られる。

なければいけない/なければならない の関連語

なくてはいけない・なくてはならない
「なければいけない」「なければならない」と同じ関係。「あした、歯を抜かなくちゃいけないの」「今日中に終わらせなくてはなりませんでした」◇これと関連して、「ないといけない」もある。「体をこわさないように気をつけないといけません」
ねばならぬ
「なければならない」より古風な言い方。硬い文章に多く使われる。「いかに苦しくとも生きねばならぬ」
なければだめ(だ)・なくてはだめ(だ)
「なければいけない」「なくてはいけない」より会話的で少しやわらかい表現。「自分で自分を売りこまなきゃだめですよ」「約束したのだから行かなくてはだめだ」
べきだ
望ましいあり方や規範としてのあり方を表わす。「親の言うことには素直に従うべきです」「その件は早急に解決を図るべきだろう」

なければいけない/なければならない の類語対比表

家族を養わ…年齢になると転職もたいへんになる君もそろそろ体を休め…よすべて国民は、ひとしく教育を受ける機会を与えられ…
なければいけない
なければならない

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