ひさかたの【久方の】
[枕]「天 (あめ・あま) 」「空」「月」「雲」「雨」「光」「夜」「都」などにかかる。「うらさぶる心さまねし—天 (あめ) のしぐれの流れあふ見れば」〈万・八二〉 「—月は照りたり暇 (いとま) なく海人 (あま) のいざりは灯 (とも) し合へり見ゆ」〈万・三六七二〉 [補説]かかり方未詳。主に大空にかかわる語にかかるが、語義についても、「日射す方」の意、「久方・久堅」から、天を永久に確かなものとする意など、諸説がある。また、「ひさかたの光のどけき春の日に」〈古今・春下〉などは、一説に「日」そのものの意とする。
ひさかたぶり【久方振り】
[名・形動]ひさしぶり。「—の対面」「—に訪問する」