出典:青空文庫
・・・十九世紀のイギリス文学では、その名を忘れることの出来ないジョージ・エリオット。ジェーン・オースティン。ブロンテ姉妹。ギャスケル夫人。フランスでは、スタエル夫人をはじめ、日本の読者にもなじみの深いジョルジ・サンドなど。そして注目すべきことは、・・・ 宮本百合子 「女性の歴史」
・・・ ジョージ・ギッシングは、非常に困難な一生を送り、芸術家としても決して華やかな生涯は経験しなかった人らしいが、彼の作物のあるものの裡には、殆ど東洋的な静謐さ、敏感な内気な愛が漲っている。四季に分けて書かれたヘンリー・ライクロフトの私・・・ 宮本百合子 「素朴な庭」
・・・ 一九一九年八月二十五日〔東京市本郷区林町二一 中條精一郎宛 レーク・ジョージより〕 此間此山に登ろうとしてグランパと二人で出かけました、が、私の非常に大自慢な健脚は、どうかしてすっかり調子を狂わせてしまった。 三分の一・・・ 宮本百合子 「日記・書簡」
・・・ 五月二十日 Lake George に立つ。 Lake George で。 ○店主に書いた手紙――佃がそれを自分に見せたとすれば悪意があるのでないことは明だ。彼のうちに自覚せずこのような文句を書かせるものがあるのか。伸子は、・・・ 宮本百合子 「「伸子」創作メモ(一)」
・・・イギリスは冬の長い陰気な室内生活により一般に読書好きなのと、キリスト教的な婦人の啓蒙教育のおかげで、小説の世界で中流的だが、古典でジョージ・エリオットにしろ、ジェーン・オーステンにしろ、ブロンテ姉妹、ブラウニング夫人、ギャスケル夫人等なかな・・・ 宮本百合子 「プロレタリア婦人作家と文化活動の問題」
・・・ レークジョージの机の上で、かげろうが脱皮した。 五来素川氏の大観に出された「社会革命の将来と国民の覚悟」を読む。失望に近い程度に於て雑駁なものだ。なかに、 仏国の「瑠璃の浜辺」にある辟寒地で、二万人を入れるカジノの中に・・・ 宮本百合子 「無題(二)」
・・・Goethe が小さいながら一国の国務大臣をしていたり、ずっと下って Disraeli が内閣に立って、帝国主義の政治をしたようなのは例外で、多くは過激な言論をしたり、不検束な挙動をしたりする。George Sand と Eugユウジェエヌ・・・ 森鴎外 「沈黙の塔」