出典:青空文庫
・・・面にだけ立脚したプレハーノフの理論の時代から辛苦の結果、数歩をすすめて来ている。物は人を動かすが、人が又物をいかに強力にうごかすかという人類の能動力その相互関係において有機的に芸術を見、且つ生もうとする段階に到達しているのである。徳永氏が傑・・・ 宮本百合子 「明日の言葉」
・・・ということが云われており、そのことでも、主張されるところは、文学の評価に何らかの客観的なよりどころを求めるものであったが、蔵原は、ぼんやり客観的と云われていた基準に社会的な内容附けを行った。プレハーノフの有名な論文集『二十年間』の序文に基い・・・ 宮本百合子 「昭和の十四年間」
・・・ 超人であろうとする小市民性 プレハーノフp.36 芥川は「生活的宦官に生れた彼自身を軽蔑しずにいられなかった」 「天上から地上へのぼるために無残にもおれた梯子である」芥川 敗北の文学 「小ブル・・・ 宮本百合子 「「敗北の文学」について」
・・・ プレハーノフの女弟子、ソヴェト同盟のマルクス主義機械論的修正派の最も有名な代表者アクセリロードは、「トルストイの創作を批評するのにもスピノザの哲学を分析する際にも、彼女は永久不変の道徳法から出発している。彼女は、新カント派と多くの・・・ 宮本百合子 「婦人作家は何故道徳家か? そして何故男の美が描けぬか?」
・・・例えば、初期の左翼芸術理論に深甚なる影響を及ぼしたプレハーノフやデボーリンの理論は、一九三二年以来高められた国際的な哲学・芸術理論から検討によってその理論における一部の誤謬が認められているのであるが、筆者は既に当時それらの成果を十分摂取して・・・ 宮本百合子 「『文芸評論』出版について」
・・・を、プレハーノフが大変悪く批評したことである。プレハーノフはこの作品が発表された当時、既にメンセビキの頭領としてはっきりレーニンの党と対立していた。プレハーノフにとっては、これまでになく明らかな輪廓をもって自分に対立する大衆の姿を、ゴーリキ・・・ 宮本百合子 「マクシム・ゴーリキイによって描かれた婦人」
・・・ゲオルギー・プレハーノフの「我等の意見の対立」というものである。そうパン焼のゴーリキイはきかされた。朗読がすすむにつれ暗闇の中で、「愚論!」と吼える者がある。「本読みは退屈な程長くつづく。」ゴーリキイは聴き草臥れる。それにもかかわら・・・ 宮本百合子 「マクシム・ゴーリキイの伝記」
・・・などが生れた時代であり、プレハーノフの書いた「我等の対立」などが、ゴーリキイの出る学生の集りでも読まれ、討論された。しかし、歴史的な意味でも若かったこれ等の学生達は、「加工を必要とする素材」として自分達が眺めていたゴーリキイに対して、時代の・・・ 宮本百合子 「マクシム・ゴーリキイの発展の特質」