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・・・ ヨッフェが来た時、二葉亭が一枚会合に加わっていたらドウだったろう。あの会合は本尊が私設外務大臣で、双方が探り合いのダンマリのようなもんだったから、結局が百日鬘と青隈の公卿悪の目を剥く睨合いの見得で幕となったので、見物人はイイ気持に看惚・・・
内田魯庵
「二葉亭追録」
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・・・年鑑の頁をくってみれば、この年五月にはソヴェトからヨッフェが来ている。普選で成功するために総同盟が右翼化することを決定した年でもある。無産階級文学運動の中にもこの対立がはげしく反映した。江口渙、壺井繁治、今野大力などアナーキストであった作家・・・
宮本百合子
「あとがき(『宮本百合子選集』第二巻)」