出典:青空文庫
好きな物語の好きな女主人公は一人ならずあるが、今興味をもっているのは、ロマン・ローランの長篇小説 The Soul Enchantedの女主人公アンネットです。この小説はジャン・クリストフのように、アンネットという女性の一・・・ 宮本百合子 「アンネット」
・・・の英訳がはいって来て「アンネットとシルヴィ」「夏」「母と子」と一冊一冊おぼつかなくよみすすんで行ったころの感銘。ロマン・ロランの芸術の世界で男は何と男らしく、女は何と女らしく、互の関係の中でいきいきとした人間像を浮き出させているだろう。世界・・・ 宮本百合子 「彼女たち・そしてわたしたち」
・・・フランスの元首相ポアンカレー、外相ブリアン、英国の労働党外相ヘンダアソン等の嘘の皮が骨までひきはがれた。 全ソヴェト作家団体協議会では、直に、真剣な産業擾乱陰謀についての批判大会を開いた。あらゆるソヴェトの印刷物は、この陰謀発覚について・・・ 宮本百合子 「ソヴェト文壇の現状」
・・・という長篇を、同じこの作家が書いた。アンネットという教養のある、深い心持をもった若い女が中心の人物となって、展開するのであるが、アンネットが自分の女性完成のために選んだ路は独特なものであった。アンネットは婚約の青年をもっていたのであるが、彼・・・ 宮本百合子 「未開の花」
・・・ ハンガリアン・ラプソディーの波を背負って、自分でもそんな音楽にびっくりしているようなのぼせた頬のリーダの顔が現れた。 日本女は、リーダの手を握り、立ったまませわしく話し、二本の瓶を書類入鞄から出した代りにそこへ蜂蜜の小さい入れもの・・・ 宮本百合子 「モスクワの辻馬車」