出典:青空文庫
・・・作家の間にバルザック、ドストイェフスキー、スタンダールなどの読み直しが流行したのであったが、この古典の読み直しに際しても所謂新しいリアリズムの解釈法が附きまとって、例えば、バルザックについての目安は、このフランスの大作家が王党であったにも拘・・・ 宮本百合子 「昭和の十四年間」
・・・彼はそのとき、アメリカの作家としてスタインベック、フランス古典第一位にバルザック、つづいてフローベール、モーパッサン、スタンダール、メリメ、マルセル・プルーストらの名をあげた。バルザック研究がソヴェトの学者グリフツォフ博士によって行われてい・・・ 宮本百合子 「政治と作家の現実」
・・・の物語にしろ、スタンダールの「カストロの尼」にしろ。近代キリスト教は、その資本主義社会のモラルとして恋愛と結婚の純潔を主張した。家庭の純潔をもとめた。相手に対して貞潔であること――精神と肉体とが互の愛の調和のうちに統一されてあることを求めて・・・ 宮本百合子 「貞操について」
一、文学者ではスタンダールというひとをこの頃おもしろく思って居ります。スタンダールは一八三〇年代のフランスで実に珍しい気骨のある多面的な人であったようです。「赤と黒」を、恋愛を主題とした小説と云われているのは一面にすぎませ・・・ 宮本百合子 「でんきアンケート」
・・・一つを見てもよくわかる。スタンダールが書いている「カストロの尼」のおそろしい物語は、結局はローマ貴族の家門の悲劇であった。同じスタンダールの「パリアノ公爵夫人」という美しくもの凄いロマンスは十六世紀のイタリヤ法王領内で起った悲劇であった。こ・・・ 宮本百合子 「人間の結婚」
・・・もよみ、スタンダールの「赤と黒」もよみ、レマルクの「凱旋門」もよみ、「風とともに去りぬ」もよんでいるとする。同時に「たけくらべ」「にごりえ」をよんだことがあるし、「あぶら照り」「妻の座」も読んでいるとする。「伸子」を読んでいるかもしれない。・・・ 宮本百合子 「文学と生活」
・・・純粋小説云々のことも、あながち、スタンダールの言葉をアンドレ・ジイドが「贋金つくりの日記」の中で引用している、その言葉の模倣のみではなかったであろう。動いたり、飛びついたり、突ころがしたりすることの絶対にない活字に、印刷されているフランスや・・・ 宮本百合子 「「迷いの末は」」
・・・に介抱される メニュエルとリュシアンの感情p.114 ナンシイの名医王党派デュ・ポワリエ氏○の chapter ド・シャトレール夫人への恋 彼女のリュシアンへの愛慕〔欄外に〕 スタンダールの時代の共和主義者というもの・・・ 宮本百合子 「「緑の騎士」ノート」
・・・ 自立の満足を一気にもとめる情熱情熱的な感受性は行為を要求し、言葉を要求しなかった。 スタンダール パリアノ公爵夫人○アンポンといろんなところでねるの楽しいねえ。・・・ 宮本百合子 「無題(十三)」