しし【肉/宍】
1 人のからだの肉。「身(せい)は短(ひく)き方にて、—肥満(こえ)たり」〈柳浪・黒蜥蜴〉 2 猪(いのしし)・鹿(しか)などの食用肉。「猪(ゐ)の—、鹿(か)の—はしらず」〈平家・一一〉
しし‐あい【肉合ひ】
からだの肉のつきぐあい。ししおき。「むっちりと抱き心地よい甘(むま)さうな—」〈浄・会稽山〉
ししあい‐とぎだし【肉合(い)研(ぎ)出し】
蒔絵(まきえ)の技法の一。高蒔絵と研ぎ出し蒔絵とを併用して傾斜をつける手法。山裾や雲などの表現に用いる。肉合い研ぎ出し蒔絵。
ししあい‐ぼり【肉合(い)彫(り)】
彫金の技法の一。文様の輪郭を線刻し、その線の内側に沿って浅く彫り下げ、薄肉彫りふうにする。杉浦乗意の創始とされる。
しし‐おき【肉置き】
からだの肉のつきぐあい。「肩や臀のむっちりとした—は」〈谷崎・蓼喰ふ虫〉
にく【肉】
[意味] 動物の皮膚におおわれ、内部で骨格を包む柔軟質のもの。[使い方]〔肉〕▽ほおの肉が落ちる▽腹に肉が付く[補足]◇「肉」には、「肉料理」のように、特に食用とするものとか、「霊と肉との相克(...
にくしょく【肉食】
[意味] 動物が他の動物を食物とすること。[英] flesh-eating⇔草食[使い方]〔肉食〕スル▽肉食する哺乳(ほにゅう)類▽肉食動物▽肉食獣[補足]◇(1)人間が動物、特に鳥獣の肉を食べ...
にくしん【肉親】
[共通する意味] ★一族の中で、ごく近い関係にある人々。[使い方]〔肉親〕▽肉親の愛情に飢えている▽父母を失い、弟がたった一人の肉親だ〔近親〕▽近親の者に相談する▽近親者〔身内〕▽身内の者だけで...
にくせい【肉声】
[共通する意味] ★人間の口から直接に発せられる生の声。[英] a human voice[使い方]〔肉声〕▽オペラ歌手はマイクを通さず肉声で歌う〔地声〕▽声が大きいのは地声だ▽地声のいい人は少...
にくたい【肉体】
[共通する意味] ★頭・胴体・手足のすべてを一まとめにした言い方。[英] the body[使い方]〔体〕(からだ)▽体は小さいがファイトは人一倍ある▽体を張る(=一身を投げうって行動する)〔身...
にくざんほりん【肉山脯林】
宴会などが、ぜいたくをきわめていることのたとえ。▽「肉」は生肉、「脯」は干し肉のこと。ともに当時のぜいたく品。「山」「林」はともに量がたくさんあることのたとえ。
にくじきさいたい【肉食妻帯】
僧侶そうりょが肉を食べ、妻をめとること。▽僧侶は殺生をしてはならず、禁欲生活を送るべきものであるという考え方から、かつて浄土真宗以外の宗派ではこれを禁じていた。「食」は「しょく」とも読む。
にくたんけんよう【肉袒牽羊】
降伏して相手に服従し、臣僕となることを請願すること。肌を脱ぎ、上半身裸になって羊をひく意から。▽「肉袒」は肌を脱ぎ、上半身をあらわにすること。降伏・謝罪の意。「牽羊」は羊をひいていくこと。料理人として相手に仕え、しもべとなることを請う意。「肉袒にくたんして羊ひつじを牽ひく」と訓読する。
にくたんふけい【肉袒負荊】
心から謝罪することのたとえ。