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しんけい‐しつ【神経質】例文一覧 30件

  1. ・・・わたしは或批評家の代表する一団の天才に敬服した余り、どうも多少ふだんよりも神経質になったようであります。同上   再追加広告 前掲の追加広告中、「或批評家の代表する一団の天才に敬服した」と言うのは勿論反語と言うものであります・・・<芥川竜之介「侏儒の言葉」青空文庫>
  2. ・・・「Sさんは神経質でいらっしゃるでしょう?」「ええ、まあ神経質と云うのでしょう。」「人ずれはちっともしていらっしゃいませんね。」「それは何しろ坊ちゃんですから、……しかしもう一通りのことは心得ていると思いますが。」 僕はこ・・・<芥川竜之介「手紙」青空文庫>
  3. ・・・僕は今不眠症にも犯されていず、特別に神経質にもなっていない。これだけは自分に満足ができる。 ただし蟄眠期を終わった僕がどれだけ新しい生活に対してゆくことができるか、あるいはある予期をもって進められる生活が、その予期を思ったとおりに成就し・・・<有島武郎「片信」青空文庫>
  4. ・・・ だが、極めて神経質で、学徳をも人格をも累するに足らない些事でも決して看過しなかった。十数年以往文壇と遠ざかってからは較や無関心になったが、『しがらみ草紙』や『めざまし草』で盛んに弁難論争した頃は、六号活字の一行二行の道聴塗説をさえも決・・・<内田魯庵「鴎外博士の追憶」青空文庫>
  5. ・・・ 三十前後の、ヒョロヒョロと痩せて背の高い、放心したような表情の男だったが、眉には神経質らしい翳があり、こういう男はえてして皮肉なのだろうか。「ほな、何弁を使うたらいいねン……?」「詭弁でも使うさ」 男はひとりごとのように、・・・<織田作之助「夜光虫」青空文庫>
  6. ・・・敏感な神経質な子だから、彼はどうかすると泣きたがる。それが、泣くのが自然であるかもしれないが、私は非常に好かないのだ。凶暴な人間が血を見ていっそう惨虐性を発揮するように、涙を見ると、私の凶暴性が爆発する。Fの涙は、いつの場合でも私には火の鞭・・・<葛西善蔵「父の出郷」青空文庫>
  7. ・・・吉田はまた猫のことには「こんなことがあるかもしれないと思ってあんなにも神経質に言ってあるのに」と思って自分が神経質になることによって払った苦痛の犠牲が手応えもなくすっぽかされてしまったことに憤懣を感じないではいられなかった。しかし今自分は癇・・・<梶井基次郎「のんきな患者」青空文庫>
  8. ・・・北村君と阿母さんとの関係は、丁度バイロンと阿母さんとの関係のようで、北村君の一面非常に神経質な処は、阿母さんから伝わったのだ。それに阿母さんという人が、女でも煙草屋の店に坐って、頑張っていようという人だから、北村君の苛々した所は、阿母さんに・・・<島崎藤村「北村透谷の短き一生」青空文庫>
  9. ・・・おれはこれでも神経質なんだ。鼻先でケツネのへなどやらかされて、とても平気では居られねえ」などそれは下劣な事ばかり、大まじめでいって罵り、階下で赤子の泣き声がしたら耳ざとくそれを聞きとがめて、「うるさい餓鬼だ、興がさめる。おれは神経質なんだ。・・・<太宰治「貨幣」青空文庫>
  10. ・・・君が神経質になり過ぎているものとしか、僕には考えられない。君が僕に友情を持っていてくれるのなら、君こそ、そういう小さなことを、悪く曲解する必要はないではないか。尤も、君が痛罵したような態度を、平生僕がとっているとすれば、僕は反省しなければな・・・<太宰治「虚構の春」青空文庫>
  11. ・・・伏目につつましく控えている碧い神経質な鋭い目も、官能的な桜桃色の唇も相当なものである。肌理の細かい女のような皮膚の下から綺麗な血の色が、薔薇色に透いて見える。黒褐色の服に雪白の襟と袖口。濃い藍色の絹のマントをシックに羽織っている。この画は伊・・・<太宰治「もの思う葦」青空文庫>
  12. ・・・鈍重なスコッチとスマートなロンドン子と神経質なお坊っちゃんとの対照が三人の俳優で適当に代表されている。対話のユーモアやアイロニーが充分にわからないのは残念であるが、わかるところだけでもずいぶんおもしろい。新入りの二人を出迎えに行った先輩のス・・・<寺田寅彦「映画雑感(4[#「4」はローマ数字、1-13-24])」青空文庫>
  13. ・・・では、多血質、胆汁質、神経質とでも言うか、とにかく性格のちがう三人兄弟の対仇討観らしいものが見られる。これなどももうひと息どうにかすると相当おもしろく見られそうな気がしたが、現在のままではどうにもただあわただしく筋書を読んでいるような気がす・・・<寺田寅彦「自由画稿」青空文庫>
  14. ・・・だれからもきれいとほめられる容貌と毛皮をもって、敏捷で典雅な挙止を示すと同時に、神経質な気むずかしさをもっていた。もちろん家族の皆からかわいがられ、あらゆる猫へのごちそうと言えばこの三毛のためにのみ設けられた。せっかく与える魚肉でも少し古け・・・<寺田寅彦「備忘録」青空文庫>
  15. ・・・しかるに狭量神経質の政府は、ひどく気にさえ出して、ことに社会主義者が日露戦争に非戦論を唱うるとにわかに圧迫を強くし、足尾騒動から赤旗事件となって、官権と社会主義者はとうとう犬猿の間となってしまった。諸君、最上の帽子は頭にのっていることを忘る・・・<徳冨蘆花「謀叛論(草稿)」青空文庫>
  16. ・・・その上僕は神経質であった。恐怖観念が非常に強く、何でもないことがひどく怖かった。幼年時代には、壁に映る時計や箒の影を見てさえ引きつけるほどに恐ろしかった。家人はそれを面白がり、僕によく悪戯してからかった。或る時、女中が杓文字の影を壁に映した・・・<萩原朔太郎「僕の孤独癖について」青空文庫>
  17. ・・・ ところがその拍手のまだ鳴りやまないうちにもう異教徒席の中から瘠せぎすの神経質らしい人が祭壇にかけ上りました。その人は手をぶるぶる顫わせ眼もひきつっているように見えました。それでもコップの水を呑んで少し落ち着いたらしく一足進んで演説をは・・・<宮沢賢治「ビジテリアン大祭」青空文庫>
  18. ・・・千代の方は一向平然としている丈、さほ子は神経質になった。 千代を傍観者として後片づけをしていると、良人は、さほ子に訊いた。「どうだね?」 気づかれのした彼女は、ぐったり腕椅子に靠れ込み、髪をなおしながら、余り快活でなく呟いた。・・・<宮本百合子「或る日」青空文庫>
  19. ・・・ 四十を越した、神経質な寡婦が、子供をつれ、大切なものまで抱えておびえてあがるのに対して、私は、それは私もこわい、かかり合のかかり合になるのは迷惑だといえるだろうか。私は、男きれのない生活を始めて不安に感じた。しかし、私は弱音を吐くこと・・・<宮本百合子「田舎風なヒューモレスク」青空文庫>
  20. ・・・私は思わず破顔しその予想もしない斬新な表現で一層照された二人の学生の近代人的神経質さにも微笑した。然し――私は堅い三等のベンチの上で揺られながら考えた。この四角い帽子をいただいた二つの頭は、果して新しき老農夫を満足し啓蒙するだけの知識をもっ・・・<宮本百合子「北へ行く」青空文庫>
  21. ・・・ チブスならパラチブスで極く軽いのだけれどもお家へお置きなさるのはどうでしょうと、主婦が神経質なのを知って居る医師が病院送りの相談を持ちかけたけれども、他人の息子をあずかって居ると云う事に非常な責任を感じて居る主婦は、出来るだけの事はし・・・<宮本百合子「黒馬車」青空文庫>
  22. ・・・Yはどの辺だろう。汽車の中は今日のような天気では蒸すだろう。Yは神経質故、昨夜よく眠れなかった由……「Yさん、きっと眠がって居らっしゃるよ今頃――」 読みかけて居た本など、いきなりバタリと伏せ「眠い! 迚も眠い!」と、駄々っ・・・<宮本百合子「木蔭の椽」青空文庫>
  23. ・・・真柄さんは獄中の事実を書く時、生来の陽気性と親ゆずりの鈍感性のため、獄中生活が一生を左右する程のききめをもたなかったから、さも親しそうに監獄の生活について話せると云っておられるが、全文に微妙な神経質さ、嫌悪、その反動としての皮肉的語気が仄見・・・<宮本百合子「是は現実的な感想」青空文庫>
  24. ・・・従来の文学青年的な純文学、神経質、非実行的、詮索ずきな作家気質をすてて、非常時日本の前線に活躍する官吏、軍人、実業家たちの生活が描かれなければならず、それ等の人々に愛読されるに足る小説が生れなければならないとする論である。「大人」という言葉・・・<宮本百合子「今日の文学の展望」青空文庫>
  25. ・・・砂糖は人間を神経質にする。実に砂糖の害悪を強調した。一方、勤労動員されたすべての少年少女が、何よりほしがったのは甘いものだった。肉体をこきつかわれた疲れを、せめて甘いものでいやしたくて、「上品」だった筈の女学生たちは寄宿舎で、ぼた餅やあんこ・・・<宮本百合子「砂糖・健忘症」青空文庫>
  26. ・・・十一歳で父に死別した後、病弱な神経質体質の少年であるジイドは、凡ての悪行為、悪思考と呼ばれているものに近づくまいとして戦々兢々として暮す三人の女にとりまかれ、芝居は棧敷でなければ観てはいけません、旅行は一等でなければしてはいけませんという境・・・<宮本百合子「ジイドとそのソヴェト旅行記」青空文庫>
  27.  どうか私共女性たちは、もっと自分自分の心というものに対して、敏感に、よい意味の神経質になりたいと思います。 めいめいが、その事さえしていると自分の全心が勇気と愛に満ち真剣になれ切れると云うことだけに、没頭したら、どんな・・・<宮本百合子「自分自分の心と云うもの」青空文庫>
  28. ・・・単純なレウマチス性の頭痛ではあったが、閭は平生から少し神経質であったので、かかりつけの医者の薬を飲んでもなかなかなおらない。これでは旅立ちの日を延ばさなくてはなるまいかと言って、女房と相談していると、そこへ小女が来て、「只今ご門の前へ乞食坊・・・<森鴎外「寒山拾得」青空文庫>
  29. ・・・その点では自他の作物に対してかなり神経質であった。特に自分の行為や感情についてはその警戒を怠らないつもりであった。しかるにある日突然私は眼が開いた気持ちになる。そして自分の人間と作物との内に多分の醜い affectation を認める。私は・・・<和辻哲郎「生きること作ること」青空文庫>
  30. ・・・その話のなかに、「志賀君もなかなか神経質だね」という言葉のあったことを、私はぼんやり覚えている。 食事がすんでしばらくすると、ぼつぼつ若い連中が集まり始めた。木曜日の晩の集まりは、そのころにはもう六、七年も続いて来ているので、初めとはよ・・・<和辻哲郎「漱石の人物」青空文庫>