そう‐ぎょう〔‐ギヤウ〕【僧形】例文一覧 4件

  1. ・・・が、その石塔が建った時、二人の僧形が紅梅の枝を提げて、朝早く祥光院の門をくぐった。 その一人は城下に名高い、松木蘭袋に紛れなかった。もう一人の僧形は、見る影もなく病み耄けていたが、それでも凛々しい物ごしに、どこか武士らしい容子があった。・・・<芥川竜之介「或敵打の話」青空文庫>
  2. ・・・ まさかとは思う……ことにその言った通り人恋しい折からなり、対手の僧形にも何分か気が許されて、 と二声ほど背後で呼んだ。」       五「物凄さも前に立つ。さあ、呼んだつもりの自分の声が、口へ出たか出んか分らな・・・<泉鏡花「朱日記」青空文庫>
  3. ・・・ ――その軒の土間に、背後むきに蹲んだ僧形のものがある。坊主であろう。墨染の麻の法衣の破れ破れな形で、鬱金ももう鼠に汚れた布に――すぐ、分ったが、――三味線を一挺、盲目の琵琶背負に背負っている、漂泊う門附の類であろう。 何をか働く。・・・<泉鏡花「伯爵の釵」青空文庫>
  4. ・・・ 都に上った厨子王は、僧形になっているので、東山の清水寺に泊った。 籠堂に寝て、あくる朝目がさめると、直衣に烏帽子を着て指貫をはいた老人が、枕もとに立っていて言った。「お前は誰の子じゃ。何か大切な物を持っているなら、どうぞおれに見せ・・・<森鴎外「山椒大夫」青空文庫>