たい‐さく【対策】例文一覧 30件

  1.  思想問題とか、失業問題とかいうような、当面の問題に関しては、何人もこれを社会問題として論議し、対策をするけれど、老人とか、児童とかのように、現役の人員ならざるものに対しては、それ等の利害得失について、これを忘却しないまでも、兎角、等閑・・・<小川未明「児童の解放擁護」青空文庫>
  2. ・・・多くの社会政策なるものがやはり、こんなようなもので、多くの人の気付くところには、何等かの対策もするが、人々の気付かないところには、犠牲者を冷酷に看過するといっていゝのです。 私達が、これまでの政治に対して、あきたらないものは、こゝに理由・・・<小川未明「街を行くまゝに感ず」青空文庫>
  3. ・・・ 平生、内地米のありがたさには気づかずに食っていたのだが『食』は、『衣』『住』と共に、人間が生きて行く上に最も重大なことなので、まずいとなると、それに対する対策は、なか/\真剣でいくらも智恵が働きそうに思われる。 一週間ばかり外米混・・・<黒島伝治「外米と農民」青空文庫>
  4. ・・・にやられている時に、遺族のものたちをバラ/\にして置いては悪いと云うので、即刻何処かの家を借りて、皆が集まり、お茶でも飲みながらお互いに元気をつけ合ったり、親密な気持を取り交わしたり、これからの連絡や対策や陳情、そういう事について話し合おう・・・<小林多喜二「母たち」青空文庫>
  5. ・・・毎年、僕は、あれを覗いて、親爺が金ない金ない、と言っても安心していたのだが、こんどだけは、本当らしいぞ。対策を考究しようじゃないか。こまった。こまった。清水忠治。太宰先生、か。」 月日。「冠省。へんな話ですが、お金が必要なんじゃ・・・<太宰治「虚構の春」青空文庫>
  6. ・・・二人で、対策を研究してみようじゃないか。」 文士は、その日、退屈していたものと見えて、なかなか田島を放さぬ。「いいえ、もう、僕ひとりで、何とか、……」「いや、いや、お前ひとりでは解決できない。まさか、お前、死ぬ気じゃないだろうな・・・<太宰治「グッド・バイ」青空文庫>
  7. ・・・私は、まじめに、真剣に、対策を考えた。私はまず犬の心理を研究した。人間については、私もいささか心得があり、たまには的確に、あやまたず指定できたことなどもあったのであるが、犬の心理は、なかなかむずかしい。人の言葉が、犬と人との感情交流にどれだ・・・<太宰治「畜犬談」青空文庫>
  8. ・・・ これに処する根本的対策としては小学校教育ならびに家庭教育において児童の感受性ゆたかなる頭脳に、鮮明なるしかも持続性ある印象として火災に関する最重要な心得の一般を固定させるよりほかに道はないように思われる。 現在の小学校教育の教程中・・・<寺田寅彦「火事教育」青空文庫>
  9. ・・・に対する対策の一般的指導原理を暗示するようにも思われるのである。<寺田寅彦「家庭の人へ」青空文庫>
  10. ・・・新聞というものの勢力のせいもあるが、一つにはその所業がかなり独創的であって相手の伝統的対策を少なくも一時戸まどいをさせた、そのオリジナリティに対する賛美に似たあるものと、もう一つには、その独創的計画をどこまでも遂行しようという耐久力の強さ、・・・<寺田寅彦「時事雑感」青空文庫>
  11. ・・・その泣くことの原因は普通自分の利害と直接に結びついているのであるから、最大緊張の弛緩から来る涙の中から、もうすぐに現在の悲境に処する対策の分別が頭をもたげて来るから、せっかく出かけた涙とそれに伴なう快感とはすぐに牽制されてしまわなければなら・・・<寺田寅彦「自由画稿」青空文庫>
  12. ・・・遺憾ながらまだ颱風の深度対頻度の統計が十分に出来ていないようであるが、そうした統計はやはり災害対策の基礎資料として是非とも必要なものであろうと思われる。 颱風災害防止研究機関の設立は喜ぶべき事であるが、もしも設立者の要求に科学的な理解が・・・<寺田寅彦「颱風雑俎」青空文庫>
  13. ・・・ こんなに度々繰返される自然現象ならば、当該地方の住民は、とうの昔に何かしら相当な対策を考えてこれに備え、災害を未然に防ぐことが出来ていてもよさそうに思われる。これは、この際誰しもそう思うことであろうが、それが実際はなかなかそうならない・・・<寺田寅彦「津浪と人間」青空文庫>
  14. ・・・砲煙弾雨の中に身命を賭して敵の陣営に突撃するのもたしかに貴い日本魂であるが、○国や△国よりも強い天然の強敵に対して平生から国民一致協力して適当な科学的対策を講ずるのもまた現代にふさわしい大和魂の進化の一相として期待してしかるべきことではない・・・<寺田寅彦「天災と国防」青空文庫>
  15. ・・・これにはやはり科学的物質的の対策を要する。将来の外交はもはやジュネヴで演説をしたり、たんかを切ってうれしがるだけではすまなくなるであろう。北氷洋に中央アジアに、また太平洋に成層圏に科学的触手を延ばして一方では世界人類の福利のために貢献すると・・・<寺田寅彦「北氷洋の氷の割れる音」青空文庫>
  16. ・・・ 日比谷の放送討論会などの席上では、大変賑やかに食糧事情対策が論ぜられます。野草のたべかたについての講義――云いかえれば、私たち日本の人間が、どうしたらもっと山羊に近くなるか、とでも云うようなお話まで堂々とされます。これは公の席で、・・・<宮本百合子「公のことと私のこと」青空文庫>
  17. ・・・そのことは純文学の単行本の売れゆきのわるさ、その対策の推移を見てもはっきりしていると思う。小説の単行本が売れないといわれて来てから、出版屋は一昨年あたり、いわゆる豪華版というものの濫発をやった。高くて綺麗な本でなけりゃこの頃は売れません。つ・・・<宮本百合子「「大人の文学」論の現実性」青空文庫>
  18. ・・・「選挙対策」に腐心して、一歩一歩人民の真の必要から離れつつある政党の首領たちは、その一歩ごとに「生ける屍」となりつつある。〔一九四六年一月〕<宮本百合子「女の手帖」青空文庫>
  19. ・・・ 自分がいる横のテーブルの上に「メーデー対策署長会議」と厚紙の表紙に書いた綴じこみがのっている。自分がそれに目をつけたのを認め、主任は、煙草のけむをよけて眼を細めながら、書類の間をさがし、「――見ましたか」と一枚のビラをよこした・・・<宮本百合子「刻々」青空文庫>
  20. ・・・拡大中央委員会に向ってなされた各地方支部の文学的組織活動の報告中に、各地方の婦人大衆に対する対策が全然とりあげられていなかったという事実だ。 日本プロレタリア作家同盟は現在七の支部と十四の支部準備会とを全国にもっている。支部によって指導・・・<宮本百合子「国際無産婦人デーに際して」青空文庫>
  21. ・・・インフレーション防止のためにいろいろの対策が行われましたが、物価があがるのを防ぐことはできませんでした。いくら働いても給料は物価においつかなくて、あらゆるところで、賃銀の値あげ運動がおこりました。ところがみなさまよく御承知のとおり、やっと要・・・<宮本百合子「今年こそは」青空文庫>
  22. ・・・作家の社会的孤立化に対する自覚と警戒、その対策が、文学の大衆化の呼声となって現れて来たのは、本年初頭からのことなのである。 こういう事情でとりあげられているきょうの文学の大衆化の問題について、二つの問題が常にこんぐらがってもち出されて来・・・<宮本百合子「今日の文学に求められているヒューマニズム」青空文庫>
  23. ・・・この頃の普通人はどうも小説――純文学の作品に対して興味を失っている。大衆小説は読んでも、真面目な小説は読まなくなって来ている。この対策として、作家が文学青年を目あてにして書いたような過去の「私小説」をやめ、大いに社会性のある、大衆にとっても・・・<宮本百合子「今日の文学の鳥瞰図」青空文庫>
  24. ・・・或る人は真の芸術を理解させるようにしなければならぬという対策を提案し、或る人はレビュー劇場が商売とは云いながらすこしは宣伝に公徳心を加味して欲しいと要求しておられる。 これ等の記事を読んで私は、教育家が或る程度固定した頭で現実に対する処・・・<宮本百合子「昨今の話題を」青空文庫>
  25. ・・・ あれこれの理由で野菜が消え去ったとなって、市民のそれに対する対策はどんな方法で行われているかというと、やはり実に個人的にやられている。或る隣組の常会で、その話が出て、お宅ではどうなすっていらっしゃいますかという問いが出た。一軒の家は、・・・<宮本百合子「主婦意識の転換」青空文庫>
  26. ・・・しかし、市町村制改正の政府案から婦人公民権は削除され、当時、公民権賛成議員が多くて政府はその対策に腐心したと記録されている。政友民政両党から出された婦人公民権案は、ついに否決されたのであった。 ところが五年の議会ではまたこの公民権がもり・・・<宮本百合子「女性の歴史の七十四年」青空文庫>
  27. ・・・学校当局は、丁度幣原内閣が、増産対策も、食糧対策も現実には持っていなくて自然、働く者の生産参加と人民の食糧管理又は供出の管理に任せなければならないでいるとおりに、学生の問題を学校当局として処理して行く能力を欠いてしまっている。これまでの学校・・・<宮本百合子「青年の生きる道」青空文庫>
  28. ・・・勤労者文学」について新しく大きい見かたが緊急に必要ではないかという点とが、かみ合わされていない。勤労者文学対策の強化、作品指導キカンの設置、講座、学校、入門書の発行、などがあげられているだけで、きょうの段階では、どうしても「勤労者文学」とい・・・<宮本百合子「その柵は必要か」青空文庫>
  29. ・・・ 昨今作家の生活、作品が現代一般人の生活から浮き離れ読者の関心を失って来ているということの文壇人自身による自覚と、それに対する対策とがこの座談会でも真先に語られている。林房雄氏は、真面目な文学者評論家は当今意識的に文壇を離れたがっている・・・<宮本百合子「文学における今日の日本的なるもの」青空文庫>
  30. ・・・先生の禅情はこの痛苦の対策として現われた傾向である。 先生の超脱の要求は、痛苦の過多に苦しむ者のみが解し得る心持ちである。我々は非人情を呼ぶ声の裏にあふれ過ぎる人情のある事を忘れてはならない。娘がめっかちになって自分の前に出て来ても、ウ・・・<和辻哲郎「夏目先生の追憶」青空文庫>