つかさ‐ど・る【司る/掌る】例文一覧 5件

  1. ・・・   運命 遺伝、境遇、偶然、――我我の運命を司るものは畢竟この三者である。自ら喜ぶものは喜んでも善い。しかし他を云々するのは僣越である。   嘲けるもの 他を嘲るものは同時に又他に嘲られることを恐れるもので・・・<芥川竜之介「侏儒の言葉」青空文庫>
  2. ・・・不吉を司る者――そう言ったものが自分に呼びかけているのであった。聞きたくない声を聞いた。…… 有楽町から自分の駅まではかなりの時間がかかる。駅を下りてからも十分の余はかかった。夜の更けた切り通し坂を自分はまるで疲れ切って歩いていた。袴の・・・<梶井基次郎「泥濘」青空文庫>
  3. ・・・ 死を司る神に取っては、我が妹の死が十年早くとも又よしおそくとも何の差も感じないに違いない。 それに涙が有ろうが有るまいが死の司は只冷然とそのとぎすました鎌で生の力と争いつつ片はじからなぎ立てるのみが彼の仕事で又楽しい事なのであろう・・・<宮本百合子「悲しめる心」青空文庫>
  4. ・・・そういう現実の根源の推移を司る力というものがあるなら、そして、その法則というものがあるのなら、それを知りたいという心持は、近頃の読書分子の生活欲求の中に強く作用して来ている。歴史を読みたいという人々が著しく殖えて来ているのだが、それは、とり・・・<宮本百合子「新島繁著『社会運動思想史』書評」青空文庫>
  5. ・・・ 何故男より女の作家が少ないかと云えば、文学を司る神はミューズで、ミューズは女性だ。だから動物電気の工合で、男をヒイキにするが、女とは同性で相反撥し合う。やきもちをやく。故に女の作家というのは少ないが、音楽家を見るがいい、女で素晴らしい・・・<宮本百合子「プロレタリア婦人作家と文化活動の問題」青空文庫>