ど‐あい〔‐あひ〕【度合(い)】例文一覧 9件

  1. ・・・吠えているうちは厭でも、厭な度合が分る。こう静かになっては、どんな厭な事が背後に起りつつあるのか、知らぬ間に醸されつつあるか見当がつかぬ。遠吠なら我慢する。どうか吠えてくれればいいと寝返りを打って仰向けになる。天井に丸くランプの影が幽かに写・・・<夏目漱石「琴のそら音」青空文庫>
  2. ・・・右翼的偏向は、複雑な組合わせと多様と度合とをもって現れたのであった。「戦争と革命との新たなる周期」において、文化運動の内部に発生したこのような敵に対して、仮借なき闘争こそが必要である。同志小林は、この課題に率先して立ち向い、次々に、逞し・・・<宮本百合子「同志小林の業績の評価に寄せて」青空文庫>
  3. ・・・そしてこういう相談をすることを知っている人々は、きっとその可能性というものが社会の歴史の前進の度合に応じて増して来るものである事を知っているに違いない。それだけのことを知っている人たちは、又自分たちの勤労とその喜びや悲しみの中にある一つ一つ・・・<宮本百合子「人間の結婚」青空文庫>
  4. ・・・だから、いろんなもののための列が国民生活の日常に多くなって来ることはそれにつれて、それぞれの国の歴史の緊張の度合いが知られるということにもなる。 今までもよく外国がえりの人たちが、あっちでは市民の訓練がよくゆき渡っていて、何かあると誰云・・・<宮本百合子「列のこころ」青空文庫>
  5. ・・・そんならその度合はどうして極まるか。職工の生活の需要であろうか。生活の需要なんぞというものも、高まろうとしている傾はいつまでも止まることはあるまい。そんなら工場の利益の幾分を職工に分けて遣れば好いか。その幾分というものも、極まった度合にはな・・・<森鴎外「里芋の芽と不動の目」青空文庫>
  6. ・・・この平凡な確実なことは、子のないときには理解ができても洞察の度合においてはるかに深度が違ってくる。この深度は作家の作品に影響しないはずがない。宇野浩二氏の『子の来歴』に一番打たれた人々も子のない人に多いのは、観賞に際してもあまりに曇りがなか・・・<横光利一「作家の生活」青空文庫>
  7. ・・・ここではパートの崩壊、積重、綜合の排列情調の動揺若くはその突感の差異分裂の顫動度合の対立的要素から感覚が閃き出し、主観は語られずに感覚となって整頓せられ爆発する。時として感覚派の多くの作品は古き頭脳の評者から「拵えもの」なる貶称を冠せられる・・・<横光利一「新感覚論」青空文庫>
  8. ・・・花びらの底の方が紅色にぼかされていて、尖端の方がかえって白いのであるが、花全体として淡紅色の加わっている度合が大きい。その相違はわずかであるとも言えるが、しかし花の数が多いのであるから、ひどく花やかになったような気持ちがする。 何分かか・・・<和辻哲郎「巨椋池の蓮」青空文庫>
  9. ・・・このような区別は希少性の度合からも説明し得られるであろう。しかし、希少性だけがその規定者ではなかった。どんなに珍しい種類の毒茸が見いだされたとしても、それは毒茸であるがゆえに非価値的なものであった。では何が茸の価値とその区別とを子供に知らし・・・<和辻哲郎「茸狩り」青空文庫>