とう‐いん〔タウヰン〕【党員】例文一覧 30件

  1. ・・・が、同時に入露以前から二、三の露国革命党員とも交際して渠らの苦辛や心事に相応の理解を持っていても、双手を挙げて渠らの革命の成功を祝するにはまた余りに多く渠らの陰謀史や虐殺史を知り過ぎていた。 二葉亭の頭は根が治国平天下の治者思想で叩き上・・・<内田魯庵「二葉亭追録」青空文庫>
  2. ・・・宿帳には下手糞な字で共産党員と書き、昨日出獄したばかりだからとわざと服装の言訳して、ベラベラとマルキシズムを喋ったが、十年入獄の苦労話の方はなお実感が籠り、父親は十年に感激して泣いて文子の婿にした。 所が、男は一年たたぬうちに再び投獄さ・・・<織田作之助「実感」青空文庫>
  3. ・・・ところが、党員が出て来ていうのには、「野坂氏は多忙で誰とも会いません。用件は私が伺いましょう」 用件はなかった。すごすご帰る道、仙台に板垣退助の娘がいることを耳にした。板垣退助こそ民主主義である。彼は仙台へ行った。宿につき女中にきく・・・<織田作之助「民主主義」青空文庫>
  4. ・・・だろうか、Pの人だろうか、Yだろうか、それとも党員だろうか……?――秋深く隣は何をする人ぞ。 扉が突然ガチャン/\と開いた。「どっこいしょ!」 蒲団をかづいできた雑役が、それをのしんと入口に投げ出した。汗をふきながら、「こん・・・<小林多喜二「独房」青空文庫>
  5. ・・・私は社会党の右派でも左派でもなければ、共産党員でもない。芸術家というものだ。覚えて置き給え。不潔なごまかしが、何よりもきらいなんだ。どだい、あなたは、なめていやがる。そんな当りさわりの無い、いい加減な事を言って、所謂民衆をなだめ、納得させる・・・<太宰治「家庭の幸福」青空文庫>
  6. ・・・お民の態度は法律の心得がなくては出来ないと思われるほど抜目がなく、又其の言うところは全然共産党党員の口吻に類するものがあった。 書肆博文館が僕に対して版権侵害の賠償を要求して来た其翌日である。正午すこし前、お民は髪を耳かくしとやらに結い・・・<永井荷風「申訳」青空文庫>
  7. ・・・お母さんの方は代議員だし、オーリャは党員候補です」 ソヴェト同盟の工場では五人に一人ぐらいの割合で婦人労働者の間から代議員というのを選んでいる。これは党員ではないが、ソヴェト同盟がプロレタリア・農民の国であり、社会主義の社会を建設してゆ・・・<宮本百合子「明るい工場」青空文庫>
  8. ・・・ナチスは、その火事を機会として、ドイツ中の共産党員、社会主義者、民主論者、平和論者、自由主義者、ユダヤ人の大量検挙をはじめたのであった。ヒトラーの手先がミュンヘンにも入ってきて、公共建物のすべての屋根に気味わるい卍の旗がひるがえることになっ・・・<宮本百合子「明日の知性」青空文庫>
  9. ・・・ 三鷹事件は、数名の共産党員を検挙して、その中に真犯人があるように宣伝されています。しかし、次の事実は事件の核心に関係しているにもかかわらず、商業新聞には発表されていません。それはこういう事実です。事件当夜、立川市の警察署長は立川国警か・・・<宮本百合子「新しい抵抗について」青空文庫>
  10. ・・・食堂でよく会う黒人党員がいつも一緒なロシア婦人党員と白い息をハーハーふきながら愉快この上ない顔つきで散歩している。一行はドイツ人もアメリカ人も混って、食事の時は婦人党員がドイツ語、英語、ロシア語でやっているのだ。(モスクワを立つ前、こんな事・・・<宮本百合子「新しきシベリアを横切る」青空文庫>
  11. ・・・それから結婚した。党員小池富美子として発表された「女子共産党員の手記」は、まだ多分に、この作者が幼時の環境からしみこまされていたアナーキスティックな爆発があった。しかし、少女時代の労働のために健康を失ったこの作者が、妻、母として、党員として・・・<宮本百合子「あとがき(『宮本百合子選集』第十五巻)」青空文庫>
  12. ・・・今日三百万の党員をもち中国人口の三五パーセントを解放地区に包括しつつある中共は、一九二三年に第三次党大会をもち、そのとき党員は四〇〇名であった。「古き小画」の作者は、これらのすべてについて全く知らないか、或はごく部分的に、ブルジョア新聞・・・<宮本百合子「あとがき(『宮本百合子選集』第二巻)」青空文庫>
  13. ・・・で、ブルガーコフは、一部の共産党員が考えている性急で単純な世界革命の希望を批判し、諷刺している。 確に、この大仕事はそう雑作なく行きはしないのだ。 だが、果して、世界革命はブルガーコフのように諷刺しやゆしてしまうだけのものだろうか?・・・<宮本百合子「新たなプロレタリア文学」青空文庫>
  14.           一 インガ・リーゼルは三十歳である。 彼女は知識階級出の党員で、今は裁縫工場の管理者として働いている。大柄な器量よしで、彼女の眼や唇は彼女の精力的な熱情を反映する美しい焔のように見える。 ・・・<宮本百合子「「インガ」」青空文庫>
  15. ・・・その女の小さい息子がいる。党員の村ソヴェト役員がいる。これ等数人が各々ぬきさしならぬ同等の役割で村の反革命分子と闘い、集団化を完成に導いてゆく。 カターエフの作品とくらべて特に面白いのは、一方がいかにもインテリゲンチアの作家によってかか・・・<宮本百合子「インターナショナルとともに」青空文庫>
  16. ・・・ 一九三三年は、日本の権力が、共産党員でがんばっている者は殺したってかまわない、という方針を内外にはっきりさせて行動した年であった。そして、一九二八年三月十五日、三・一五として歴史的に知られている事件のころから共産党の組織に全国的にはい・・・<宮本百合子「解説(『風知草』)」青空文庫>
  17. ・・・ 直ぐタラソフ・ロディオーノフが、党員らしいきっぱりした口調で坐ったまま始めた。「これまでみたいに、自分一人手帖をゴチャゴチャ書きよごすことにはないんだ。タワーリシチ! 一般の自発力をひき出すことだ。壁新聞を、発行者たちの独専にして・・・<宮本百合子「「鎌と鎚」工場の文学研究会」青空文庫>
  18. ・・・ 私は、これまでこんな熱心さで振りかえっているいくつもの人々の顔というものは見たことがありません。党員たちは裁判官の並んでいる下のところに幾側にも並んで腰をかけているのですがズックリと顔をこっち入って来る傍聴人の群の方へふり向け、或る人・・・<宮本百合子「共産党公判を傍聴して」青空文庫>
  19. ・・・ 同じ三・一五の被告であった徳田球一、志賀義雄などの人々が、永い獄中生活にもかかわらず、一九四五年十月に解放されてからすぐ共産党の合法的活動に着手したことを思いあわせると、私たちは同じ共産党員といわれる人々の中に、非常な大きい差別がある・・・<宮本百合子「共産党とモラル」青空文庫>
  20. ・・・ヤクート         九九    二三ダゲスタン       一〇九    一二キルギース        八四     三タジック         三九     三 ロシア共産党員は全部で百六十六万四千八百五人だがど・・・<宮本百合子「五ヵ年計画とソヴェト同盟の文化的飛躍」青空文庫>
  21. ・・・俺あ党員じゃねえんだからね。正直に、手前の背骨を痛くして耕してた百姓から牛までとっちまって、日傭いになり下がらせる社会主義ってのは分らねえんだ」 集団農場組織に対しては都会の労働者の間にさえそういう無理解が一部のこされた。当時ソヴェト同・・・<宮本百合子「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」青空文庫>
  22. ・・・ 薄い唇を曲げ、「マルクス主義作家ということは窮極において党員作家ということだよ」「――私は、字のとおりマルクス主義作家と云っているのです」 中川は暫く沈黙していたが、前歯の間に煙草を銜え、煙をよけるように眼を細めて両手でケ・・・<宮本百合子「刻々」青空文庫>
  23. ・・・共産党員。一九三二年の文化団体に対する弾圧当時、駒込署に検挙され、拷問のビンタのために中耳炎を起し危篤におちいった。のち、地下活動中過労のため結核になって中野療養所で死去した。百合子の「小祝の一家」壺井栄「廊下」等は今野大力の一家の生活から・・・<宮本百合子「獄中への手紙」青空文庫>
  24. ・・・社会主義的リアリズムは、労働者階級の勝利と社会主義社会への展望にたっているから、当然労働者階級の文学の創作方法であり、党員作家の創作の方法でありうる。けれども、たとえばスタインベックのダイナミックな手法が、彼の旅行記の中でソヴェト社会の建設・・・<宮本百合子「五〇年代の文学とそこにある問題」青空文庫>
  25. ・・・ 監督の、おだやかな三十四五の婦人党員が説明した。 ――御承知の通り我々のソヴェト文化はまだ極めて若いんですし、我々の参考とすべき経験というものが、先にない。すべて新しい。これは大変よいことだが、困難もあるんです。ここの第一の仕事は・・・<宮本百合子「子供・子供・子供のモスクワ」青空文庫>
  26. ・・・「小林は共産党員じゃないか、人を馬鹿にするな!」「そうかもしれないが、それより前に、小林多喜二は、立派な文学者ですよ」「理屈なんかきいちゃいられない。サア、行くんだ」 そして、杉並署へついて、留置場へ入れられかけた。留置場の・・・<宮本百合子「今日の生命」青空文庫>
  27. ・・・左右、うしろ側の椅子に並んでるのも八割は党員らしい女だ。テーブルの端っこで速記してるコムソモールカがある。レーニンの石膏像。赤いプラカートは二階バルコンの手すりからも張りまわされている。正面には燃えるようなプラカート「第十回世界無産婦人デー・・・<宮本百合子「三月八日は女の日だ」青空文庫>
  28. ・・・あの投書は文学運動全体にもかかわりをもっているから、病気のために少しおくれたがこの際、一党員作家として、「宮本さんの話」はきいているうちはわかるが結局無内容で、小説は評判ほどよまれていない、むずかしい、わからないとされているあの投書について・・・<宮本百合子「事実にたって」青空文庫>
  29. ・・・ いわゆる肉体小説、風俗小説の作者から、共産党員である作家・批評家までを包括して持たれる懇談会は、ただそれらの各種の人たちが、もちこして来ているめいめいの型のままで、一堂によりあつまったというだけでは、烏合であろう。そこから去ってしまえ・・・<宮本百合子「「下じき」の問題」青空文庫>
  30. ・・・ところで彼の政党は私利をのみ目ざす人間の集団であって、自党の利益とは結局党員各自の私利である。彼らはこの集団の力によって政権を握り、その権力によって各自の私利をはかろうとする。しかし政治はかくのごときものであってはならない。明治大帝の詔にい・・・<和辻哲郎「蝸牛の角」青空文庫>