なな‐つ【七つ】例文一覧 30件

  1. ・・・出現を惧れるために、ヘロデ王の殺した童子たちのことを、ヨハネの洗礼を受けられたことを、山上の教えを説かれたことを、水を葡萄酒に化せられたことを、盲人の眼を開かれたことを、マグダラのマリヤに憑きまとった七つの悪鬼を逐われたことを、死んだラザル・・・<芥川竜之介「おしの」青空文庫>
  2. ・・・その声は年の七つも若い女学生になったかと思うくらい、はしたない調子を帯びたものだった。自分は思わずSさんの顔を見た。「疫痢ではないでしょうか?」「いや、疫痢じゃありません。疫痢は乳離れをしない内には、――」Sさんは案外落ち着いていた。 ・・・<芥川竜之介「子供の病気」青空文庫>
  3. ・・・父はしかしこれからの人間は外国人を相手にするのであるから外国語の必要があるというので、私は六つ七つの時から外国人といっしょにいて、学校も外国人の学校に入った。それがために小学校に入った時には、日本の方が遅れているので、速成の学校に通った。・・・<有島武郎「私の父と母」青空文庫>
  4. ・・・――この間おいでになりました時などは、お二人で鷭が、一百二三十も取れましてね、猟袋に一杯、七つも持ってお帰りになりましたんですよ。このまだ陽が上りません、霜のしらしらあけが一番よく取れますって、それで、いま時分お着になります。」「どこか・・・<泉鏡花「鷭狩」青空文庫>
  5. ・・・……かるめら焼のお婆さんは、小さな店に鍋一つ、七つ五つ、孫の数ほど、ちょんぼりと並べて寂しい。 茶めし餡掛、一品料理、一番高い中空の赤行燈は、牛鍋の看板で、一山三銭二銭に鬻ぐ。蜜柑、林檎の水菓子屋が負けじと立てた高張も、人の目に着く手術・・・<泉鏡花「露肆」青空文庫>
  6. ・・・ 顔も手も墨だらけな、八つと七つとの重蔵松三郎が重なりあってお辞儀をする。二人は起ちさまに同じように帽子をほうりつけて、「おばあさん、一銭おくれ」「おばあさん、おれにも」 二人は肩をおばあさんにこすりつけてせがむのである。・・・<伊藤左千夫「春の潮」青空文庫>
  7. ・・・そして、二三日めに七つでなくなりました。<小川未明「金の輪」青空文庫>
  8. ・・・六つか、七つ頃のことです。昼ごろ、母は、使から帰って来ました。そしておみやげに、大きな巴旦杏を枕許に置いてくれました。私は熱のため、頭痛がするのを床の上に起き直って、暗紫色にうまそうな水をたゝえた果物を頬につけたり接吻したりしました。 ・・・<小川未明「果物の幻想」青空文庫>
  9.  私がまだ六つか七つの時分でした。 或日、近所の天神さまにお祭があるので、私は乳母をせびって、一緒にそこへ連れて行ってもらいました。 天神様の境内は大層な人出でした。飴屋が出ています。つぼ焼屋が出ています。切傷の直ぐ・・・<小山内薫「梨の実」青空文庫>
  10. ・・・ 女も笑ったくらい、どこまでが本当で、どこまでが嘘か判らぬような身の上ばなしでしたが、しかし、七つの年までざっと数えて六度か七度、預けられた里をまるで附箋つきの葉書みたいに転々と移ってきたことだけはたしかで、放浪のならわしはその時もう幼・・・<織田作之助「アド・バルーン」青空文庫>
  11. ・・・屋根に、六つか七つぐらいの植木の小鉢が置いてあったのを見て私は、雁治郎横丁を想い出した。雁治郎横丁は千日前歌舞伎座横の食物路地であるが、そこにもまた忘れられたようなしもた家があって、二階の天井が低く、格子が暑くるしく掛っているのである。そし・・・<織田作之助「大阪発見」青空文庫>
  12. ・・・幾日も放ったらかしてあった七つになる長女の髪をいゝ加減に束ねてやって、彼は手をひいて、三人は夜の賑かな人通りの繁しい街の方へと歩いて行った。彼はひどく疲労を感じていた。そしてまだ晩飯を済ましてなかったので、三人ともひどく空腹であった。 ・・・<葛西善蔵「子をつれて」青空文庫>
  13. ・・・ 六つ七つの時祖母につれられてきた時分と、庫裡の様子などほとんど変っていないように見えた。お彼岸に雪解けのわるい路を途中花屋に寄ったりして祖母につれられてきて、この部屋で痘痕の和尚から茶を出された――その和尚の弟子が今五十いくつかになっ・・・<葛西善蔵「父の葬式」青空文庫>
  14. ・・・ある時は八幡宮の石段を数えて登り、一、二、三と進んで七つと止まり、七つだよと言い聞かして、さて今の石段はいくつだとききますと、大きな声で十と答える始末です。松の並木を数えても、菓子をほうびにその数を教えても、結果は同じことです。一、二、三と・・・<国木田独歩「春の鳥」青空文庫>
  15. ・・・ 七つの落ち葉の山、六つまで焼きて土曜日の夜はただ一つを余しぬ。この一つより立つ煙ほそぼそと天にのぼれば、淡紅色の霞につつまれて乙女の星先に立ち静かに庭に下れり。詩人が庭のたき火も今夜をかぎりなれば残り惜しく二人は語り、さて帰るさ、庭の・・・<国木田独歩「星」青空文庫>
  16. ・・・から落ちて落馬したの口調にならわば二つ寝て二ツ起きた二日の後俊雄は割前の金届けんと同伴の方へ出向きたるにこれは頂かぬそれでは困ると世間のミエが推っつやっつのあげくしからば今一夕と呑むが願いの同伴の男は七つのものを八つまでは灘へうちこむ五斗兵・・・<斎藤緑雨「かくれんぼ」青空文庫>
  17. ・・・ その時どうしたのだか知らないが、忽ち向うの白けた空の背景の上に鼠色の山の峯が七つ見えているあたりに、かっと日に照らされた、手の平ほどの処が見えて来た。その処は牧場である。緩傾斜をなして、一方から並木で囲まれている。山のよほど高い処にあ・・・<著:シュミットボンウィルヘルム 訳:森鴎外「鴉」青空文庫>
  18. ・・・そのうちに一ばん上の子どもが七つになりました。 すると、或とき、知合の家に御婚礼があって、ギンも夫婦でよばれていきました。二人はじぶんたちの馬が草を食べている野原をとおっていきました。そうすると女は、途中で、あんまり遠いから、私はよして・・・<鈴木三重吉「湖水の女」青空文庫>
  19. ・・・藤さんがふと境の扇骨木垣の上から顔を出して、「小母さま。今日は」と物を言いかけたのが元であった。藤さんが七つ八つにすぎぬころであったろう。それから四五年してここの主人が亡くなって、小母さんはこちらへ住居をきめることになった。別れの時には・・・<鈴木三重吉「千鳥」青空文庫>
  20. ・・・ 庭で遊んでいた七つの長女が、お勝手口のバケツで足を洗いながら、無心に私にたずねます。この子は、母よりも父のほうをよけいに慕っていて、毎晩六畳に父と蒲団を並べ、一つ蚊帳に寝ているのです。「お寺へ。」 口から出まかせに、いい加減の・・・<太宰治「おさん」青空文庫>
  21. ・・・胸はダブルの、金ボタンを七つずつ、きっちり並べて附けました。ボタンの列の終ったところで、きゅっと細く胴を締めて、それから裾が、ぱっとひらいて短く、そこのリズムが至極軽妙を必要とするので、洋服屋に三度も縫い直しを命じました。袖も細めに、袖口に・・・<太宰治「おしゃれ童子」青空文庫>
  22. ・・・また一日じゅうの時刻については「朝五つ時前、夕七つ時過ぎにはかけられない、多くは日盛りであるという」とある。 またこの出現するのにおのずから場所が定まっている傾向があり、たとえば一里塚のような所の例があげられている。 もう一つ参考に・・・<寺田寅彦「怪異考」青空文庫>
  23. ・・・たった一部屋限りの食堂は、せいぜい十畳くらいで、そこに並べてある小さな食卓の数も、六つか七つくらいに過ぎなかった。しかし部屋が割合に気持のいい部屋で、すべてが清楚な感じを与えた。のみならず、そこで食わせる料理も、味が軽くて、分量があまり多く・・・<寺田寅彦「雑記(2[#「2」はローマ数字、1-13-22])」青空文庫>
  24. ・・・「何でも七つばかりある」「そんなにあるかい。何と何だい」「何と何だって、たしかにあるんだよ。第一爪をはがす鑿と、鑿を敲く槌と、それから爪を削る小刀と、爪を刳る妙なものと、それから……」「それから何があるかい」「それから変・・・<夏目漱石「二百十日」青空文庫>
  25. ・・・ で、中学の存在によって繁栄を引き止めようとしたが、困ったことには中学がその地方十里以内の地域に一度に七つも創立された。 だいたい今まで中学が少な過ぎたために、県で立てたのが二つ、その当時、衆議院議員選挙の猛烈な競争があったが、一人・・・<葉山嘉樹「死屍を食う男」青空文庫>
  26. ・・・大きな梨ならば六つか七つ、樽柿ならば七つか八つ、蜜柑ならば十五か二十位食うのが常習であった。田舎へ行脚に出掛けた時なども、普通の旅籠の外に酒一本も飲まぬから金はいらぬはずであるが、時々路傍の茶店に休んで、梨や柿をくうのが僻であるから、存外に・・・<正岡子規「くだもの」青空文庫>
  27. ・・・ それは小岩井農場の南、あのゆるやかな七つ森のいちばん西のはずれの西がわでした。かれ草の中に二本のうずのしゅげが、もうその黒いやわらかな花をつけていました。 まばゆい白い雲が小さな小さなきれになって砕けてみだれて、空をいっぱい東の方・・・<宮沢賢治「おきなぐさ」青空文庫>
  28. ・・・ 第一話から第五話まで、コフマンは太陽と七つの惑星、そのなかの一つである地球、その地球のまわりの空気などについて語っている。宇宙の偉大さを感じさせるこの部分は、私たちに岩波文庫に出ている「史的に見たる科学的宇宙観の変遷」を思いおこさせる・・・<宮本百合子「科学の常識のため」青空文庫>
  29. ・・・ 今二つの目の主は七つか八つ位の娘である。無理に上げたようなお煙草盆に、小さい花簪を挿している。 白い手拭を畳んで膝の上に置いて、割箸を割って、手に持って待っているのである。 男が肉を三切四切食った頃に、娘が箸を持った手を伸べて・・・<森鴎外「牛鍋」青空文庫>
  30. ・・・ne echo gives the halfTo some wight amazed to hearJesting deep in forest drear. 春の一夜、日光の下に七つの星を頂いて森をさすらう時、キーツの・・・<和辻哲郎「霊的本能主義」青空文庫>