のぞ・く【除く】例文一覧 22件

  1. ・・・ その後にようやく景気が立ちなおってからも、一流の大家を除く外、ほとんど衣食に窮せざるものはない有様で、近江新報その他の地方新聞の続き物を同人の腕こきが、先を争うてほとんど奪い合いの形で書いた。否な独り同人ばかりでなく、先生の紹介によっ・・・<泉鏡花「おばけずきのいわれ少々と処女作」青空文庫>
  2. ・・・ 夜業禁止や、時間制により、工場はある不幸な児童等は救はれたのであるが、尚、眼に見えざる場処に於ての酷使や、無理解より来る強圧を除くには、社会は、常に警戒し、防衛しなければならぬであろう。そして、積極的に彼等がいかなる、境遇に置かれつゝ・・・<小川未明「児童の解放擁護」青空文庫>
  3. ・・・それでさえ支那でも他の邦でも、それに病災を禳い除く力があると信じたり、あるいはまたこれを演繹して未来を知ることを得るとしたりしている。洛書というものは最も簡単なマジックスクェアーである。それが聖典たる易に関している。九宮方位の談、八門遁甲の・・・<幸田露伴「魔法修行者」青空文庫>
  4. ・・・ 蓋し司法権の独立完全ならざる東洋諸国を除くの外は此如き暴横なる裁判、暴横なる宣告は、陸軍部内に非ざるよりは、軍法会議に非ざるよりは、決して見ること得ざる所也。 然り是実に普通法衙の苟も為さざる所也。普通民法刑法の苟も許さざる所也。・・・<幸徳秋水「ドレフュー大疑獄とエミール・ゾーラ」青空文庫>
  5. ・・・千島の分だけはいろいろの困難があるので除き、また台湾、朝鮮も除く事とする。 さて Aso, Usu, Uns(z)en, Esan の四つを取ってみる。これはいずれも母音で始まり、次に子音で始まる綴音が来る。終わりのnは問題外とする。・・・<寺田寅彦「火山の名について」青空文庫>
  6. ・・・これらが一通り具備したる暁においても、現象の偶然性を除く程度まで精しくこれを知悉する困難は現象の性質上甚だ大なるべし。かくのごとき場合には公算論の指示する統計的方法を取る外なかるべきも、公算が変数の連続函数なりと断定し難く、また最大公算を有・・・<寺田寅彦「自然現象の予報」青空文庫>
  7. ・・・ 凶作のみならず水害風害あるいは地震や火事の災害を根本的に除くためには、やはり同様な恒久的施設が必要である。健忘症の政治家や気まぐれな学界元老などの手に任せておくにはあまりに大切な仕事である。 こういう見地から見て現在一番信頼の出来・・・<寺田寅彦「新春偶語」青空文庫>
  8. ・・・それで一つの方則を実験しようというならば、その実験を支配し得る種々の原因要素を分解して、その内から特にその方則に指定した要素のみを抽出し、他のものを除くようにしなければ予定の結果を得る事は出来ない。少し極端な云い分ではあるが、物理学の方則と・・・<寺田寅彦「物理学実験の教授について」青空文庫>
  9. ・・・按摩の笛の音も色町を除くの外近年は全く絶えたようである。されば之に代って昭和時代の東京市中に哀愁脉々たる夜曲を奏するもの、唯南京蕎麦売の簫があるばかりとなった。 新内語りを始め其他の街上の芸人についてはここに言わない。 その日その日・・・<永井荷風「巷の声」青空文庫>
  10. ・・・それから直接に官能に訴える人巧的な刺激を除くと、この巣の方が遥かに意義があるように思われるんだから、四辺の空気に快よく耽溺する事ができないで迷っちまいます。こんな中腰の態度で、芝居を見物する原因は複雑のようですが、その五割乃至七割は舞台で演・・・<夏目漱石「虚子君へ」青空文庫>
  11. ・・・を漱石が独歩君に敬服すると云う意味に解釈するものはないからこの点は安心である。 愚見によると、独歩君の作物は「巡査」を除くのほかことごとく拵えものである。ただしズーデルマンのカッツェンステッヒより下手な拵えものである。花袋君の「蒲団」も・・・<夏目漱石「田山花袋君に答う」青空文庫>
  12. ・・・故に我輩は単に彼等の迷信を咎めずして、其由て来る所の原因を除く為めに、文明の教育を勧むるものなり。一 人の妻と成ては其家を能く保べし。妻の行ひ悪敷放埒なれば家を破る。万事倹にして費を作べからず。衣服飲食抔も身の分限に随ひ用ひて奢・・・<福沢諭吉「女大学評論」青空文庫>
  13. ・・・我が輩かつていえることあり、方今政談の喋々をただちに制止せんとするは、些少の水をもって火に灌ぐが如し、大火消防の法は、水を灌ぐよりも、その燃焼の材料を除くに若かずと。けだし学者のために安身の地をつくりてその政談に走るをとどむるは、また燃料を・・・<福沢諭吉「学問の独立」青空文庫>
  14. ・・・この弊を除くの一事は、議論上には容易なれども、事実に行われざるものなり。その失、三なり。一、官の学校にある者は、みずからその学識を測量せずして、にわかに仕官に志すの弊あり。けだしその達路近ければなり。その失、四なり。一、官の学校は、・・・<福沢諭吉「学校の説」青空文庫>
  15. ・・・故に余輩の注意するところは、未だ積極に及ばずして先ずその消極の憂を除くの路に進まんと欲するなり。すなわちその路とは他なし、今の学校を次第に盛にすることと、上下士族相互に婚姻するの風を勧ることと、この二箇条のみ。 そもそも海を観る者は河を・・・<福沢諭吉「旧藩情」青空文庫>
  16. ・・・これらの教育には、父母を除くほかに更に良き教師を求めんとするも容易に得難きものにして、殊に子供の教育においては、十中の七、八に居るべき大切なる箇条なり。然るに今ただ文字を知らざるの一箇条を以て、他の大切なる箇条をも挙げてこれを他人に託すると・・・<福沢諭吉「教育の事」青空文庫>
  17. ・・・たとえば政府の議定をもって、一時租税を苛重にして国民の苦しむあるも、その法を除くときはたちまち跡を見ず。今日は鼓腹撃壌とて安堵するも、たちまち国難に逢うて財政に窘めらるるときは、またたちまち艱難の民たるべし。いわんや、かの戦争の如き、その最・・・<福沢諭吉「政事と教育と分離すべし」青空文庫>
  18. ・・・をやめて代りに「火桶」の形容詞など置くべく、結句は「火桶すわりをる」のごとき句法を用うるか、または「○○すわりをる」「すわり○○をる」のごとく結びて「哉」を除くべし。かつふれて巌の角に怒りたるおとなひすごき山の滝つせ この歌・・・<正岡子規「曙覧の歌」青空文庫>
  19. ・・・ 従来の誤った結婚観念、習慣、制度を改正し、簇出しつつある多くの不正、不幸を取除くために正当な離婚法が制定されることは急務です。然し、究極に於て各人の叡智と愛との根源に還る問題ではありますまいか。 人類の最も本質的な、最も純粋である・・・<宮本百合子「心ひとつ」青空文庫>
  20. ・・・会議はパリで開かれ、参集国は日本を除く二十八ヵ国、代表者は二百三十名。まことに興味ある次の如き議題で世界的に討論された。一。文化遺産二。ヒューマニズム三。民族と文化四。個人五。思想の尊厳六。社会に於る作家の役割七・・・<宮本百合子「今日の文学の展望」青空文庫>
  21. ・・・戦略戦術の書を除く外、一切の書を読まない。浄瑠璃を聞いても、何をうなっているやらわからない。それが不思議な縁で、ふいと浪花節と云うものを聴いた。忠臣孝子義士節婦の笑う可く泣く可く驚く可く歎ず可き物語が、朗々たる音吐を以て演出せられて、処女の・・・<森鴎外「余興」青空文庫>
  22. ・・・個所などを除く時、トルストイの芸術観に適合する作物となるそうである。現代徳育の理想もまた八犬士の境地である。この理想はよい。よいには相違ないがこの理想によって「虚栄を根本より覆せ」と叫ぶものは過激だとお叱りを蒙る。「不徳の人間を社会より放逐・・・<和辻哲郎「霊的本能主義」青空文庫>