しのび‐やつ・す【忍び窶す】
[動サ四]人目を忍んで、目立たない姿になる。「馬四つ五つひかせていみじう—・したれど」〈源・玉鬘〉
し・める【染める】
[動マ下一][文]し・む[マ下二] 1 色にそまるようにする。また、においなどを深く入り込ませる。「煮—・める」「たき—・める」「香の紙のいみじう—・めたる」〈枕・三六〉 2 深く感じ入れさせる...
しり‐くち【後口/尻口】
1 《「しりぐち」とも》牛車(ぎっしゃ)などの後方の出入り口。「尼の車、—より水晶の数珠、薄墨の裳、袈裟、衣、いといみじくて、簾はあげず」〈枕・二七八〉 2 後ろと前。あとと先。「—首尾つづまら...
じ‐ぎょう【地形】
1 (「地業」とも書く)建築を始める前に、地面をならし固めること。また、その工事。地固め。 2 (「地業」とも書く)建築物の基礎の構造。 3 土地のようす。地勢。「堀河院は—のいといみじきなり」...
すか・す【賺す】
[動サ五(四)] 1 機嫌をとって、こちらの言うことを聞き入れるようにさせる。「子供を—・して寝させる」「おどしたり—・したりして行かせる」 2 言いくるめてだます。「弟を—・しておやつを取り上...
す‐く【秀句】
《「す」は「しゅう」の直音表記》「しゅうく(秀句)」に同じ。「いみじき—のたまへる人なり」〈大鏡・伊尹〉
せち【節】
1 季節。時節。「卯月のうちに春の—のあまれるを知り」〈類従本経信母集・跋〉 2 季節の変わり目の祝日。節日(せちにち)。「—は五月にしく月はなし」〈枕・三九〉 3 「節会(せちえ)」の略。「今...
そい‐ふ・す【添ひ臥す】
[動サ四] 1 寄り添って横になる。添い寝する。「裳をだにもよう言はば着ぬさまにて御前に—・し」〈枕・二四六〉 2 物に寄りかかってからだを横にする。「いみじくをかしげなる人、几帳のつらに—・し...
そぎ‐す・つ【削ぎ捨つ】
[動タ下二] 1 髪を切る。また、髪を切って出家する。「清らなる御髪を—・てて」〈源・柏木〉 2 省略する。はぶく。「いみじく事ども—・てて、世の煩ひあるまじくと省かせ給へど」〈源・若菜下〉
そこ‐どころ【其処所】
[名](あとに打消しの語を伴って用いる)それどころ。「娘は—で無いから頻りに迫る」〈風葉・青春〉
[代]中称の指示代名詞。 1 どこそこの所。「—ともなくいみじく苦しくし給ひて」〈源・若菜下...