うかれ【浮(か)れ】
浮かれること。「—声」「—調子」「袖を引かれて、北八すこし—がきて」〈滑・膝栗毛・七〉
うかれ‐ある・く【浮(か)れ歩く】
[動カ五(四)]心うきうきとして歩き回る。また、所定めず、あちこちぶらつく。「盛り場を—・く」
うかれ‐い・ず【浮かれ出づ】
[動ダ下二] 1 気持ちが落ち着かず、どこという当てもなく、家を出る。「—・づる心は身にもかなはねば如何なりとても如何にかはせむ」〈山家集・中〉 2 心がひかれて、うきうきとする。また、うきうき...
うかれ‐お【浮(か)れ男】
美しいものや異性などにひかれて、浮かれ歩く男。うかれおとこ。「今仲の町で—に睨付(にらみつ)けられる烏も」〈美妙・武蔵野〉
うかれ‐がらす【浮かれ烏】
1 月に浮かれて、ねぐらに帰るのも忘れ、鳴き騒ぐ烏。浮気烏。「月さえて山は梢の静けきに—の夜ただ鳴くらむ」〈新撰六帖・六〉 2 夜、浮かれ歩く人。遊客。浮気烏。「冷てえ風もほろ酔ひに、心持ちよく...
うかれ‐ごころ【浮(か)れ心】
落ち着かない気持ち。特に、陽気に浮き立った気持ち。「詩でも吟じたいような—になって」〈花袋・妻〉
うかれ‐た・つ【浮(か)れ立つ】
[動タ五(四)] 1 楽しくてたまらず、とてもじっとしていられない気持ちになる。ひどく浮かれる。「町中が祝賀の準備で—・つ」 2 気軽にぶらりとでかける。「裾をかしうからげて、路の枝折(しを)り...
うかれ‐だ・す【浮(か)れ出す】
[動サ五(四)]心がうきうきして、調子づきはじめる。「祭りばやしに—・す」
うかれ・でる【浮(か)れ出る】
[動ダ下一] 1 心がうきうきとして外へ出る。「春らしい陽気に—・でる」 2 どこというあてもなく家を出る。「次第不動明王、娑婆の若衆にうっぽれて、路考じゃうどに—・でる」〈根無草・後・一〉
うかれ‐どり【浮かれ鳥】
1 まだ夜が明けないのに、浮き立つように鳴く鶏。「なぞもかく人の心の—別れもよほす声をたつらん」〈万代・恋三〉 2 夜、ねぐらを離れて、浮かれ歩く鳥。「月は出でてもうば玉のよるべ定めぬ—」〈謡・藤〉