うつしみ
上田三四二の随筆。昭和53年(1978)刊行。副題「この内なる自然」。闘病を通じて死と向き合い、自然と身体の一体化を模索する自身の姿を描く。昭和54年(1979)、第7回平林たい子文学賞を受賞。
うつし‐み【現し身】
現在生きている身。うつせみ。「こうして—の女の肉に引きずられる執念は」〈石川淳・普賢〉 [補説]江戸時代の国学者が上代語の「うつしおみ」また「うつそみ」「うつせみ」の原形を「現し身」と考えて作り...
うつし‐もの【写し物】
文書を書き写すこと。また、書き写した文書。
うつし‐よ【現し世】
この世。現世。
うつ‐じょう【鬱情】
晴れ晴れしない、うっとうしい気持ち。「それぞれの悩ましい青春の—の発散を志したのであろう」〈佐藤春夫・晶子曼陀羅〉
うつ‐じょうたい【鬱状態】
気分が落ち込み、感情・意欲・思考などの精神活動が低下した状態。何事にも興味・関心を持てなくなり、不眠や過眠、食欲不振や過食、倦怠感(けんたいかん)などの身体症状があらわれる。悲観的な考えにとらわ...
うつ・す【写す】
[動サ五(四)]《「移す」と同語源》 1 文書・絵などを元のとおりに書き取る。まねてそのとおりに書く。転写する。模写する。「手本を—・す」「友達のレポートを—・す」 2 ある物をまねてそのとおり...
うつ・す【映す】
[動サ五(四)]《「移す」と同語源》 1 反射や投影などによって物の形や姿を他の物の表面に現す。「鏡に姿を—・す」 2 映像をスクリーンやブラウン管などの上に現し出す。映写する。「スライドを—・...
うつ・す【移す/遷す】
[動サ五(四)] 1 位置や地位を変える。他の所へ持っていく。また、中身を別のものに入れ替える。「住まいを—・す」「首都を—・す」「庶務課に—・す」「小皿に—・す」 2 目の向きや関心の対象を変...
うつせ【空/虚】
1 貝殻。うつせがい。「いかなる様にて、いづれの底の—にまじりけむ」〈源・蜻蛉〉 2 中身のないこと。から。空虚。「手を通さねば便なき袖は—のうちかけ姿」〈浄・聖徳太子〉