えんま‐ちょう【閻魔帳】
1 閻魔王が死者の生前の行為や罪悪を書きつけておくという帳簿。 2 教師が受け持ちの生徒の成績や出欠などを記入しておく手帳の俗称。
えんま‐ちょう【閻魔鳥】
地獄めぐりのからくりの中で、罪人を追いつめる、作り物の鳥。寛文(1661〜1673)のころ評判になった。「一年は—とて作り物珍しく」〈浮・永代蔵・四〉
えんま‐てん【閻魔天】
八方天・十二天の一としての閻魔王の称。南方の守護神。図像は冥界十王の場合と異なり、水牛に乗り左手に人頭の幢(どう)を持つ姿に表し、密教で、除病・延寿祈祷(きとう)などの本尊とする。
えんまてん‐くほう【閻魔天供法】
密教で、除病・延寿・安産などを祈るために閻魔王を本尊として行う修法。
えんまてん‐まんだら【閻魔天曼荼羅】
密教で、閻魔天供法を行うときに用いる曼荼羅。人頭の幢(とう)を持ち、白い水牛に乗る温顔の閻魔王を中尊として描いたもの。
えんま‐どう【閻魔堂】
閻魔王を祭ってある堂。京都引接寺(いんじょうじ)(千本閻魔堂)が著名。
えんまどう‐だいねんぶつ【閻魔堂大念仏】
京都大報恩寺(千本釈迦堂)で行われる、千本(せんぼん)念仏のこと。
えんま‐の‐ちょう【閻魔の庁】
閻魔王がいる庁舎。ここで死者の生前の罪を裁くという。
えんま‐むし【閻魔虫】
甲虫目エンマムシ科の昆虫の総称。体長1センチくらい。体は扁平な卵形、黒色で光沢があり、脚は太く短い。触角の中央が赤褐色。堆肥(たいひ)や動物の死体に集まり、蛆(うじ)を食べる。
えんま‐もうで【閻魔詣で】
陰暦1月16日(初閻魔)と7月16日(大斎日)に閻魔堂に参詣(さんけい)すること。この日は地獄の釜(かま)のふたが開き、罪人が責め苦を免れると伝えられる。閻魔参り。《季 夏》