おもい‐くた・す【思ひ腐す】
[動サ四]心の中でけなす。軽蔑する。「口惜しき品に—・し給ふとも」〈宇津保・俊蔭〉
おもい‐くだ・く【思ひ砕く】
[動カ四]あれこれと心を砕く。「降る雨のあしとも落つる涙かな細かにものを—・けば」〈詞花・雑上〉
[動カ下二]あれこれと思い乱れる。思い悩む。「—・くる心のうちをも、つれなく忍び返して」〈狭...
おもい‐くん・ず【思ひ屈ず】
[動サ変]「おもいくっす」の音変化。「今日を限りにおぼし捨てつるふるさとと—・じて」〈源・葵〉
おもい‐ぐま【思ひ隈】
心が行き届くこと。相手への思いやりがあること。「—ありて、心くるしうものせさせ給ふべきなり」〈浜松・四〉
おもいぐま‐な・し【思ひ隈無し】
[形ク] 1 心が行き届かない。思慮分別が足りない。「—・く悪しうしたり」〈枕・一三六〉 2 相手の立場を考えない。思いやりがない。「桜ゆゑ風に心のさわぐかな—・き花と見る見る」〈源・竹河〉
おもい‐ぐる・し【思ひ苦し】
[形シク]つらくせつない。心苦しい。「家の妹に物言はず来にて—・しも」〈万・三四八一〉
おもい‐け・つ【思ひ消つ】
[動タ四] 1 強いて思わないようにする。忘れようとする。「よろづの事すさびにこそあれ、と—・たれ給ふ」〈源・澪標〉 2 無視する。軽蔑する。「こよなく—・ちたりし人も、嘆き負ふやうにて亡くなり...
おもい‐こ・う【思ひ恋ふ】
[動ハ上二]恋しく思う。恋い慕う。「心には火さへ燃えつつ—・ひ」〈万・四〇一一〉
おもい‐こ・む【思ひ籠む】
[動マ下二]思うことを心中に隠す。外に表さないで、心中に深く思う。「恋しきも—・めつつあるものを人に知らるる涙何なり」〈後撰・恋三〉
おもい‐ご【思ひ子】
かわいく思う子。いとしご。「父母の—にて」〈宇津保・俊蔭〉