きょう‐しゅう【郷愁】
1 他郷にあって故郷を懐かしく思う気持ち。ノスタルジア。「故国への—を覚える」「—にかられる」 2 過去のものや遠い昔などにひかれる気持ち。「古き良き時代への—」 [補説]書名別項。→郷愁
きよ‐げ【清げ】
[形動ナリ]けがれなく美しいさま。きれいなさま。→清(きよ)ら「聴色(ゆるしいろ)の氷とけぬかと見ゆるを、いとど濡らしそへつつ眺め給ふさま、いとなまめかしく—なり」〈源・総角〉
きょう‐めい【嬌名】
なまめかしくて美しいという評判。芸者などの評判の高いのにいう。
きょう‐しん【嬌嗔】
[名](スル)女性がなまめかしく怒ること。また、その怒り。「女は—してその男を打てり」〈鴎外訳・即興詩人〉
ことなし‐び【事無しび】
何事もないそぶり。なんでもないふり。「—に書き給へるが、をかしく見えければ」〈源・総角〉
座(ざ)に堪(た)え◦ない
その場にいることが堪えられない。いたたまれない。「恥ずかしくて—◦ない」
かん‐がん【汗顔】
[名・形動]顔に汗をかくほど恥ずかしく感じること。また、そのさま。赤面。「—の至り」「実に—な事だらけで、何とも言訳の為(し)ようもないが」〈逍遥・当世書生気質〉
しのび‐どころ【忍び所】
1 隠れすむ所。人目を忍んで通う所。「いといたく色めき給ひて、通ひ給ふ—多く」〈源・紅梅〉 2 懐かしく思い起こされる所。「ここら年経給へる御すみかの、いかでか—なくはあらむ」〈源・真木柱〉
じゃら‐くら
[副](スル)なまめかしく戯れあうさま。でれでれ。じゃらじゃら。「白粉(おしろい)を塗って—されては虫唾(むしず)が走る」〈魯庵・社会百面相〉
しみ‐ふか・し【染み深し/沁み深し】
[形ク]香りなどが強くしみ込んでいる。深くしみとおっている。「もて馴らしたる移り香いと—・うなつかしくて」〈源・夕顔〉