うちつけ‐ごと【打ち付け事】
思いがけない出来事。「人の心々もひき別るるやうに、—ども出で来けり」〈増鏡・あすか川〉
うつつ‐の‐ゆめ【現の夢】
夢のようにはかない現実。多く男女の逢い引きのはかなさをいう。「逢ふと見て覚めにしよりもはかなきは—の名残なりけり」〈俊成卿女集〉
うちつけ‐ごと【打ち付け言】
ふと思いついたことを、そのまま口に出すこと。また、その言葉。「幸ひ人の光失ふ日にて、雨はそぼ降るなりけりと、—し給ふ人もあり」〈源・若菜下〉
うつし【移し】
1 「移し花(ばな)」に同じ。「秋の露は—にありけり水鳥の青葉の山の色づく見れば」〈万・一五四三〉 2 香を衣類などに染み込ませること。また、その香。「菊の露もこちたく、おほひたる綿などもいたく...
うぬ【汝/己】
[代] 1 二人称の人代名詞。相手をののしっていう語。「おの」の音変化ともいう。きさま。てめえ。「—まで死なせてなるものか」〈鴎外・山椒大夫〉 2 反射代名詞。自分自身。「バカ、—がケンカをし...
うみ‐ねこ【海猫】
カモメ科の海鳥。全長48センチくらい。くちばしの先端が赤くて、体はカモメに似て白色で、背に黒いまだら模様がある。鳴き声が猫に似ている。青森県八戸(はちのへ)海岸の蕪島(かぶしま)、島根県経島(ふ...
うま‐のり【馬乗り/馬騎り】
1 馬に乗ること。また、乗る人。 2 馬に乗るような姿勢で人や物にまたがること。「—になって殴りつける」 3 羽織の背や肌ジュバン・甚兵衛などの脇の裾(すそ)などで、縫わずに開けておく部分。 4...
うみ‐ながし【産み流し】
流産すること。「これも御—にて、にはかにうせさせ給ひけり」〈増補本増鏡・老のなみ〉
うま‐だし【馬出し】
1 直線の馬場で馬を乗りだす所。馬場本(ばばもと)。⇔馬留(うまとど)め。「一条の—の舎(いへ)の下にして死にけり」〈今昔・一三・一〇〉 2 味方の人馬の出入りを敵方に知られないように城門の外に...
うべ◦なり【宜なり】
[連語]《「なり」は断定の助動詞》なるほどと納得するさま。もっともである。道理だ。「—◦なりけりや。あなうとまし」〈源・野分〉