つらら【列ら】
[形動ナリ]つらなるさま。「海人(あま)の娘子(をとめ)は小舟(をぶね)乗り—に浮けり」〈万・三六二七〉
つよ‐ゆみ【強弓】
弦(つる)の張りの強い弓。また、それをひきこなす人。ごうきゅう。「いかなる—が射けれども矢一つもなかりけり」〈太平記・三三〉
てんか‐ふん【天花粉/天瓜粉】
キカラスウリの根から製した白いでんぷん。子供のあせも・ただれ予防などに用いる。あせしらず。《季 夏》「—ところきらはず打たれけり/草城」
つくり‐ごと【作り事】
1 実際にない出来事をあるかのように作り出した事柄。こしらえごと。「この手記は大部分が—だ」 2 人工を加えて作ったもの。「この岩根の松も、こまかに見れば、えならぬ—どもなりけり」〈源・少女〉
つくり‐だ【作り田/佃】
「つくだ(佃)1」に同じ。「—の刈るべき君が御代なればいなふさ山の豊かなりけり」〈夫木・二〇〉
つき‐の‐むらど【月のむら戸】
月の光がもれてさし込む戸。「—を押し開けて内に入らせ給ひけり」〈謡・田村〉
つち‐や【土屋】
1 「土室(つちむろ)」に同じ。 2 土・砂などを売る店。また、その人。〈和英語林集成〉 3 「土屋倉」の略。「当社の—を造進したりけり」〈著聞集・一〉
つき‐の‐かがみ【月の鏡】
1 晴れわたった空にかかる満月。形を鏡と見立てた語。《季 秋》 2 月を映した池の水面を鏡にたとえた語。「久方の—となる水をみがくは冬の氷なりけり」〈新後拾遺・冬〉
つこう‐まつ・る【仕る】
[動ラ四]《「つかえまつる」の音変化で、主として平安時代に用いた》 1 「仕える」の謙譲語。 ㋐お仕え申し上げる。「昔、二条の后に—・る男ありけり」〈伊勢・九五〉 ㋑お供申し上げる。奉仕する。「...
つとめ‐て
1 (前夜に何か事のあった場合の)翌朝。「男、いとかなしくて、寝ずなりにけり。—、いぶかしけれど」〈伊勢・六九〉 2 早朝。夜明けがた。「さて四日の—ぞ、皆みえたる」〈かげろふ・上〉