た・つ【献つ】
[動タ下二]たてまつる。献上する。「神まつる月をあすとや山人のみむろのさかき今日—・ててけり」〈夫木・一六〉
たち‐もとお・る【立ち徘徊る】
[動ラ四]あちこち歩き回る。彷徨(ほうこう)する。「木(こ)の間より移ろふ月の影を惜しみ—・るにさ夜ふけにけり」〈万・二八二一〉
たち‐ま・う【立ち舞ふ】
[動ハ四] 1 立って舞う。舞を舞う。「もの思ふに—・ふべくもあらぬ身の袖うち振りし心知りきや」〈源・紅葉賀〉 2 世に出て交わる。交際する。立ちまじる。「なほ世に—・ふべくも覚えぬ物思ひの」〈...
たちまち‐づき【立(ち)待ち月】
《立って待っている間に出る月の意》陰暦17日の夜の月。特に、陰暦8月17日の月。たちまちのつき。《季 秋》「古き沼—を上げにけり/風生」→居待ち月 →寝待ち月
たけ・し【猛し】
[形ク] 1 強く勇ましい。勇敢で屈することがない。「大倭国(おほやまとのくに)に、吾二人に益(まさ)りて—・き男(を)は坐しけり」〈記・中〉 2 勢いが盛んである。「かの宮にもさこそ—・うのた...
たき‐の‐いと【滝の糸】
滝の水が筋をなして落ちるようすを、糸が垂れ下がるのに見立てていう語。滝の白糸。「流れくるもみち葉見れば唐錦—もて織れるなりけり」〈拾遺・冬〉
たな‐ぎょう【棚経】
盂蘭盆会(うらぼんえ)のとき、僧侶が精霊棚(しょうりょうだな)の前で読経すること。《季 秋》「ひあはひの風に—すみにけり/水巴」
そ・れる【逸れる】
[動ラ下一][文]そ・る[ラ下二] 1 別の方向へ行く。目標からはずれる。「弾が—・れる」「投球が—・れる」 2 本筋から離れる。通るべき筋道をはずれて、思いがけない方向へ行く。「話が脇道へ—・...
だい‐ぢから【大力】
非常に強い力。また、その持ち主。だいりき。おおぢから。「一来(いちらい)法師といふ—の早業ありけり」〈平家・四〉
それなり‐けり【其れなりけり】
《「なり」を助動詞「なり」ととって「けり」を添えたもの》そのままになってしまうこと。それきり。それなり。「舌喰ひ切る所存見えし時、縄ほどきて—に済みぬ」〈浮・諸艶大鑑・一〉