うた‐がま・し【歌がまし】
[形シク]ひとかどの歌らしい。「さすがに—・しう、われはと思へるさまに最初(さいそ)によみ侍らむ」〈枕・九九〉
わ‐じょうろう【我上﨟/和上﨟】
[代]二人称の人代名詞。身分のある子女を親しみを込めて呼ぶ語。わじょろう。「さすがに—は常磐腹に三男」〈謡・鞍馬天狗〉
たわ・し【戯し】
[形シク]みだらである。好色である。「さすがに—・しきに、からみまはさせておきたらむ」〈落窪・一〉
たち‐い・ず【立ち出づ】
[動ダ下二] 1 立って外へ出る。その場を去る。「ここなるこれかれ送りに—・でたれば」〈かげろふ・中〉 2 立って来る。出て来る。「かの小柴垣(こしばがき)のほどに—・で給ふ」〈源・若紫〉 3 ...
つゆ‐の‐み【露の身】
露のように消えやすくはかない身。露の命。「ながらへむ年も思はぬ—のさすがに消えむ事をこそ思へ」〈新古今・雑下〉
ざ・れる【戯れる】
[動ラ下一][文]ざ・る[ラ下二]《古くは「さる」とも》 1 ふざける。たわむれる。「男女が—・れる」 2 趣がある。しゃれている。風流である。「さすがに—・れたる遣戸口に」〈源・夕顔〉 3 世...
なか‐さだ【中さだ】
《「さだ」は時の意》筆跡などが古風でも近代風でもなく中期の様式であること。一説に、上手でもなく下手でもなく中等であること。「手はさすがに文字強う—の筋にて」〈源・末摘花〉
じぎ‐あい【辞宜合ひ/辞儀合ひ】
あいさつを交わすこと。会釈をし合うこと。じぎ。あいさつ。「さすがに—に手間も取るべし」〈鶉衣・煙草説〉
さし‐はな・る【差し離る】
[動ラ下二] 1 離れる。隔たる。「住み馴れし所を—・れて」〈浜松・四〉 2 関係・血縁が薄くなる。「さすがに—・れたる人ならばともかくもすべきに」〈落窪・一〉
腹(はら)が大(おお)き・い
1 腹がふくれる。「猫の—・くなった」 2 度量が大きい。腹が太い。太っ腹である。「さすがに親分ともなると—・い」