わたくし‐ごころ【私心】
1 自分の利益ばかりを考える心。また、個人的な感情。ししん。「—のない人」 2 ひそかに恋い慕う心。「むつかしき—の添ひたるも苦しかりけり」〈源・東屋〉
わたり‐ぼうこう【渡り奉公】
あちこちを渡り歩き、主人を替えて奉公すること。「女ながら—程をかしきはなし」〈浮・一代女・四〉
わななき‐ごえ【戦慄き声】
わななきふるえる声。「あさましき—にて」〈源・手習〉
わび‐こと【侘び言】
《「わびごと」とも》 1 わびしい気持ちから出る言葉。かこちごと。ぐち。「いられがましき—どもを書き集め給へる御文を御覧じつけて」〈源・胡蝶〉 2 断りの言葉。辞退の言葉。「迷惑に思ひ、色々—を...
わび‐は・つ【侘び果つ】
[動タ下二]すっかりふさぎこんでしまう。「—・つる時さへものの悲しきはいづこをしのぶ涙なるらむ」〈古今・恋五〉
わ・びる【侘びる】
[動バ上一][文]わ・ぶ[バ上二] 1 さびしく思う。心細がる。「独り暮らしを—・びる」「人—・びて淋しき宵を」〈漱石・虞美人草〉 「つれづれ—・ぶる人はいかなる心ならん」〈徒然・七五〉 2 落...
わり‐もの【割り物】
割り算。また、割り算を必要とする計算。「算用はむつかしき—も埒(らち)をあけ」〈浮・織留・一〉
我(われ)か
1 自分のことか。「秋の野に人松虫の声すなり—と行きていざとぶらはむ」〈古今・秋上〉 2 「我か人か」の略。「いとどなよなよと—のけしきにて臥したれば」〈源・桐壺〉
われ・じ【我じ】
[形シク]自分のことのように感じるさま。「立ち別れ君がいまさば磯城(しき)島の人は—・じく斎(いは)ひて待たむ」〈万・四二八〇〉
我(われ)にもあら◦ず
1 われを忘れて。無我夢中で。「—◦ず言い訳しようとしたのを」〈康成・伊豆の踊子〉 2 自分であるという気がしない。人心地がしない。「御子は—◦ぬけしきにて」〈竹取〉 3 本心からでなく。しぶし...