ろじ‐あんどん【露地行灯】
茶の湯で、夜咄(よばなし)や暁の茶事のとき、露地の腰掛けに置き、明かりとする角形の低い行灯。
うたあんどん【歌行灯】
泉鏡花の小説。明治43年(1910)発表。能楽宗家の養子喜多八を主人公に、芸術至上主義と神秘主義とが融合した境地を描く。
じぐち‐あんどん【地口行灯】
江戸中期ごろから流行した、地口を書いた行灯。多くは戯画を描き添え、祭礼の折などに路傍に立てたり軒先に掛けたりした。
かど‐あんどん【門行灯】
屋号・家名などを書いて門口に掛け、目印とする行灯。かどあんどう。
かな‐あんどん【金行灯】
紙を張る部分に、金網を張った行灯。かなあみあんどん。
おきな‐あんどん【翁行灯】
江戸歌舞伎で、顔見世興行の初日などに舞台左右の大臣柱にかけた角形の行灯。
あみ‐あんどん【網行灯】
まわりの枠に金網を張った行灯。あみあんどう。
なごや‐あんどん【名古屋行灯】
角行灯(かくあんどん)の一。火袋の枠を細い鉄で作ったもので、江戸中期以降に用いられた。
たそや‐あんどん【誰哉行灯】
江戸新吉原の遊郭で、各妓楼の店先に立てた、屋根形をのせた辻(つじ)行灯。たそやあんどう。
ひじり‐あんどん【聖行灯】
《高野聖の笈(おい)の形に似ているところからとも、また、聖窓に掛けるところからともいう》近世、遊郭の局見世(つぼねみせ)の格子などに掛けて看板がわりにした掛け行灯。ひじりあんどう。