こころ‐はやり【心逸り】
心が勇み立つこと。気がせくこと。いらだつこと。「—のままに、祐成(すけなり)いかにもなるならば」〈曽我・八〉
こころ‐ばせ【心馳せ】
1 平素からの心の働き。気だて。性質。心ばえ。「常(いつ)も楽しそうに見えるばかりか、—も至て正しいので」〈独歩・少年の悲哀〉 2 心配り。「この娘、すぐれたる形ならねど、なつかしう貴(あて)は...
こころ‐みえ【心見え】
[名・形動ナリ]胸中を人に見透かされること。わざと心を人に見せるようにすること。また、そのさま。「世の常に思ふ別れの旅ならば—なるたむけせましや」〈後拾遺・離別〉
こころならず‐も【心ならずも】
[連語]「心ならず1」に同じ。「懇願されて—参加することになった」
こころやり‐どころ【心遣り所】
心を慰める所。気晴らしをする所。「いかならむ仏の国にかは、かやうの折ふしの—を求めむと見えたり」〈源・匂宮〉
こころ‐むき【心向き】
「心向け」に同じ。「鹿毛(かげ)なる馬のならびなき逸物(いちもつ)、乗り走り、—、又あるべしとも覚えず」〈平家・四〉
こころ‐の‐ちり【心の塵】
心のけがれ。心の迷い。煩悩(ぼんのう)。雑念。「ありがたき法(のり)にあふぎの風ならば—を払へとぞ思ふ」〈山家集・中〉
こころ‐なら◦ず【心ならず】
[連語] 1 自分の本心ではないのだが。不本意ながら。「—◦ず大役を引き受けるはめになった」 2 思いどおりにならない。「はかなさを恨みもはてじ桜花うき世はたれも—◦ねば」〈千載・雑中〉 3 気...
ご‐さん【五山】
《「ござん」とも》格式の高い、五つの大きな寺。 1 インドの祇園精舎(ぎおんしょうじゃ)・竹林精舎・大林精舎・鹿園(ろくおん)精舎・那爛陀(ならんだ)寺の五精舎。 2 中国の径山(きんざん)寺・...
こころ‐え【心得】
1 理解していること。また、理解してとりはからうこと。「—のある処置」 2 常に心がけていなければならないこと。心構え。「日ごろの—がよくない」 3 技芸を身につけていること。たしなみ。「茶の湯...