のち‐の‐あおい【後の葵】
賀茂の祭の日に簾(すだれ)などにかけた葵を、祭りが過ぎた後日までそのまま残しておいたもの。「祭過ぎぬれば、—不用なりとて」〈徒然・一三八〉
のち‐の‐あした【後の朝】
男女が会って一夜をともにした翌朝。きぬぎぬ。後朝(ごちょう)。のちのあさ。「—は残りおほかる心地なむする」〈能因本枕・一三九〉
のち‐の‐あやめ【後の菖蒲】
「六日の菖蒲(あやめ)」に同じ。
のち‐の‐おや【後の親】
実の親の死後、親と頼む人。ままおや。「あはれのことや。この姉君や、真人(まうと)の—」〈源・帚木〉
のち‐の‐きく【後の菊】
「十日の菊」に同じ。
のちのこうせつひゃくものがたり【後巷説百物語】
京極夏彦の推理小説。さまざまな妖怪をモチーフに事件を解決していく巷説百物語シリーズの一つ。平成15年(2003)刊行。同年、第130回直木賞受賞。
のち‐の‐こと【後の事】
1 行く末のこと。また、死後のこと。 2 葬式や法要などの、死者をとむらう作法。のちのわざ。「命尽きぬと聞こし召すとも、—思し営むな」〈源・松風〉 3 後産(あとざん)。のちのもの。「程なく生ま...
のち‐のち【後後】
1 それよりずっとあと。また、これから先。将来。「—まで語り継がれる」「—役立つだろう」 2 死者の法事をする7日目ごとの日。「—の御業(わざ)など孝じ仕うまつり給ふさまも」〈源・賢木〉
のち‐の‐つき【後の月】
1 次の月。翌月。来月。 2 陰暦8月15日夜の月を初名月というのに対して、9月13日夜の名月。十三夜。豆名月。栗(くり)名月。《季 秋》「—入りて顔よし星の空/鬼貫」 3 閏月(うるうづき)のこと。
のち‐の‐つきみ【後の月見】
陰暦九月十三夜の月見。八月十五夜の月見に対していう。《季 秋》