ひとえ‐ぐさ【一重草】
ヒトエグサ科の緑藻。浅い海岸の岩上に生え、全体に黄緑色で薄く、ほぼ円形をし、縁は波打つ。汁の実や佃煮にする。ひとえあおさ。
ひとえ‐ごころ【偏心】
ひとすじに思いこむ心。いちずな心。「手弱女(たをやめ)の今日脱ぎかふる衣手の—は我が身なりけり」〈新撰六帖・一〉
ひとえ‐ざくら【一重桜】
花が単弁の桜。
ひとえ‐に【偏に】
[副]《名詞「一重(ひとえ)」+格助詞「に」から》 1 ただそのことだけをするさま。いちずに。ひたすら。「御贔屓(ごひいき)のほどを—お願い申し上げます」 2 原因・理由・条件などが、それに尽き...
ひとえ‐ばおり【単羽織】
裏をつけない夏用の羽織。《季 夏》「身にからむ—も浮世かな/其角」
ひとえ‐ばかま【単袴】
裏をつけない袴。
ひとえ‐まぶた【一重瞼】
上まぶたに横ひだがない、一重のまぶた。
ひとえ‐もの【単物】
1 裏をつけずに仕立てた和服類の総称。特に、裏をつけない長着。初夏から初秋にかけて着る。《季 夏》「地下鉄の青きシートや—/汀女」 2 室町時代、素襖(すおう)の直垂(ひたたれ)をいった語。
ひと‐えり【人選り】
[名](スル)人をえらぶこと。ひとえらび。「かやうに訪れ聞こえむ人をば、—して」〈源・胡蝶〉
人(ひと)衆(おお)ければ則(すなわ)ち狼(おおかみ)を食(く)らう
《「淮南子(えなんじ)」説山訓から》人数が多ければ、人を襲う狼をも殺して食ってしまう。多数の力の恐るべきことのたとえ。