まつ‐の‐かど【松の門】
松飾りのしてある門。《季 新年》
まつ‐の‐くらい【松の位】
《秦の始皇帝が雨宿りをした松を大夫(たいふ)に封じたという故事から》 1 大夫(五位の官)の異称。 2 江戸時代、遊女の最高の地位。大夫職(たゆうしょく)。
まつ‐の‐けぶり【松の煙】
1 松をたく煙。 2 松明(たいまつ)の煙。「—のたなびきて」〈枕・一四二〉
まつ‐の‐こえ【松の声】
松風の音。松籟(しょうらい)。「陰にとて立ちかくるれば唐衣ぬれぬ雨降る—かな」〈新古今・雑中〉
まつ‐の‐こけ【松の蘿/松の苔】
サルオガセの古名。〈和名抄〉
まつ‐の‐ことのは【松の言の葉】
《古今集・仮名序に「松の葉の散りうせずして」とあるところから》和歌のこと。「住吉の—変はらずは神代にかへれ敷島の道」〈新千載・神祇〉
まつのざい‐せんちゅう【松の材線虫】
線虫の一種。体長約1ミリ。マツノマダラカミキリによって媒介され、そのかみ傷から材中に侵入して繁殖し、松枯れを起こす。材中でカミキリの幼虫が羽化すると体内に移り、運ばれる。日本には米国から渡来。
まつ‐の‐と【松の戸】
松の木や枝で作った板戸または編み戸。松の下陰にある戸。まつのとざし。まつのとびら。まつのとぼそ。「山深み春ともしらぬ—に絶えだえかかる雪の玉水」〈新古今・春上〉
まつ‐の‐は【松の葉】
1 松の木の葉。まつば。 2 贈り物の上包みなどに、粗末な品物の意を表すためにしるす語。寸志。「ほんの手土産、—ぢゃと思うて下され」〈伎・助六〉
まつのは【松の葉】
江戸中期の歌謡集。5巻。秀松軒(しゅうしょうけん)編。元禄16年(1703)刊。当時の上方で伝承・演奏されていた三味線歌曲の歌詞を分類・集成したもの。