ゆ‐つ【斎つ】
[連語]名詞の上に付いて、神聖な、清浄なの意を表す。「—桂」「—爪櫛(つまぐし)」「河上(かはのへ)の—岩群(いはむら)に草生(む)さず常にもがもな常娘子(とこをとめ)にて」〈万・二二〉 [補説...
ゆ‐づか【弓柄/弓束/弣】
《「ゆつか」とも》矢を射るとき、左手で弓を握る部分。ゆみづか。また、そこに巻く革。
ゆつ‐かつら【斎つ桂】
神聖で清浄なカツラの木。一説に、枝のたくさんあるカツラ。「井の上(へ)に—あらむ」〈記・上〉
ゆ‐つき【斎槻】
神聖で清浄なツキの木。一説に、奈良県桜井市巻向(まきむく)山の一峰の名とも。いつき。「長谷(はつせ)の—が下に隠したる妻あかねさし照れる月夜(つくよ)に人見てむかも」〈万・二三五三〉
ゆ‐つぎ【湯次/湯注】
「湯桶(ゆとう)」に同じ。
ゆつ‐つまぐし【斎つ爪櫛】
神聖で清浄な櫛。一説に歯の多い櫛の意。ゆつのつまぐし。「左の御みづらに刺せる—の」〈記・上〉
ゆ‐つぼ【湯壺】
温泉などで、わき出る湯をたたえたところ。湯ぶね。
ゆつ‐まつばき【斎つ真椿】
神聖な椿の木。「新嘗屋(にひなへや)に生ひ立てる葉広(はびろ)—」〈記・下・歌謡〉
ゆつ・る【移る】
[動ラ四]経過する。うつる。「天の原富士の柴山木(こ)の暗(くれ)の時—・りなば逢はずかもあらむ」〈万・三三五五〉