かた‐おとし【片落(と)し】
1 一方だけを落とすこと。 2 一方を不公平に扱うこと。かたおち。「勘八のみお咎(とがめ)が有りましては、—のお調べかと心得ます」〈円朝・菊模様皿山奇談〉
かた‐おもい【片思い】
自分のことを思ってもいない人を、一方的に恋い慕うこと。片恋。「磯の鮑(あわび)の—」
かた‐おもむき【片趣】
[名・形動ナリ]心を一方にばかり寄せること。いちずなさま。「—なるをば、猪武者とてよきにはせず」〈平家・一一〉
かた‐おや【片親】
1 両親のうちのどちらか一方。「—を失う」⇔二親(ふたおや)。 2 両親のうち一方がいないこと。また、その残っている親。「—に育てられる」
かた‐おりど【片折(り)戸】
一方だけに開く折り戸。→諸折(もろお)り戸
かた‐おろし【片下ろし】
古代歌謡で、本(もと)・末(すえ)の2部に分けて歌うとき、その一方を声の調子を下げて歌うもの。また、そのような歌い方をする曲の名。「この歌は夷振(ひなぶり)の—なり」〈記・下〉
かた‐かま【片鎌】
1 鎌槍の、左右に突き出た枝の一方の刃。 2 「片鎌槍(かたかまやり)」の略。
かた‐がわ【片側】
両面あるうちの、一方の側。また、2列あるうちの、一方の列。「板の—だけ塗る」「—通行」
かた‐がわせ【片為替】
外国との間の銀行為替で、売り為替か買い為替かの一方に偏ること。
かた‐ぎし【片岸】
《古くは「かたきし」とも》 1 片方の岸。 2 一方が険しいがけになっている所。「山の奥の谷の—に、高き木のあるに」〈宇治拾遺・六〉 3 かたわらにある場所。ほとり。「左近の馬場(むまば)を—に...