さん‐の‐かわり【三の替(わ)り】
1 同じ一座による芝居興行で、演目の三度目の替わり。 2 京坂で、歌舞伎の3月興行。顔見世に次ぐ初春興行を二の替わりといい、その次の興行の意。江戸では弥生(やよい)狂言。《季 春》
さん‐の‐きり【三の切り】
1 義太夫節の時代物で、三段目の最終の語り場。ふつう五段からなる1曲の中心となる悲劇的場面で、一座の最高位の太夫が語る。 2 講談などの聞かせどころ。
さん‐の‐ず【三の図/三の頭】
《馬の尻の上部を三頭(さんず)というところから》人の尻の上部。腰のあたり。「尻—まで引っからげ」〈浄・油地獄〉
さん‐の‐せん【三の線】
「三枚目」1のこと。また、芸人でない俳優などが三枚目として売り出すこと。
さん‐の‐ぜん【三の膳】
正式の日本料理で、本膳・二の膳の次に、汁・刺身・茶碗をのせて出す膳。
さん‐の‐つづみ【三の鼓】
雅楽の打楽器の一。胴長約45センチ、鼓面の直径約42センチの細腰鼓(さいようこ)。右手の桴(ばち)で右面だけを打つ。高麗楽(こまがく)に用いる。
さん‐の‐とり【三の酉】
11月に酉の日が3回あるとき、その3回目の酉の日。《季 冬》「たかだかとあはれは—の月/万太郎」→酉の市
さん‐の‐ま【三の間】
1 昔、貴族の邸宅で、奥女中のいた部屋。 2 宇治川にかかる宇治橋の西詰めから第2と第3の橋脚の間。ここでくんだ水は茶の湯によいとされ茶人に珍重された。
さん‐の‐まつ【三の松】
能舞台で、橋懸かりの前の白州に等間隔に植えられた3本の若松のうち、いちばん揚げ幕寄りの松。懸かりの松。
さん‐の‐まる【三の丸】
城の二の丸を囲む外郭の部分。→城