つう‐べん【通弁/通辯】
[名](スル)「通訳」の古い言い方。「座興に化物を出して見すべしとの事なりと—すれば亭主興に入りて」〈紅葉・二人むく助〉
つぐのい【償い】
《古くは「つくのい」》「つぐない」に同じ。「亭主の平あやまりにあやまるをせめてもの—に」〈蘆花・思出の記〉
てい【亭】
[名] 1 庭に設けた休憩用などの建物。あずまや。ちん。 2 亭主。「島屋の—が、そんな酷(ひど)い事をしおるかえ」〈鏡花・歌行灯〉 3 やしき。住居。「多田蔵人(くらんど)行綱、入道相国の西...
てい【亭】
[常用漢字] [音]テイ(漢) チン(唐) 1 旅人の宿泊所。宿駅。「亭長/駅亭」 2 屋根だけで壁のない休息所。あずまや。ちん。「池亭」 3 飲食・演芸などで客を集める建物。「亭主/旗亭・席亭...
亭主(ていしゅ)の好(す)きな赤烏帽子(あかえぼし)
烏帽子は黒塗りが普通であるが、亭主が赤い烏帽子を好めば家族はそれに同調しなければならない意から、どんなことでも、一家の主人の言うことには従わなければならないということのたとえ。亭主の好きな赤鰯(...
てい‐ぼう【亭坊】
住職。また、隠居剃髪(ていはつ)した亭主。「—勤め過ぎて、しばらく世間の事どもを考へ」〈浮・胸算用・五〉
てまえ‐だたみ【手前畳/点前畳】
茶室で、茶道具が置かれ、主人が点茶をする場所の畳。道具畳。亭主畳。
とと‐かか
1 亭主と女房。父と母。「そこらの—聚(つど)ひ来て」〈読・八犬伝・八〉 2 《「とと」のような「かか」の意から》夫のようにいばっている妻。かかあ天下。「鎌倉殿は—ぢゃなどと嘲って」〈浄・百人上﨟〉
どうあん‐がこい【道安囲い】
茶の湯で、茶室の客畳と点前(てまえ)畳との間に設けた仕切り壁。また、この形式の茶室。亭主は仕切り壁の内側で茶を点(た)て、仕切り壁につけた火灯口を開いて客に接する。
どう‐こ【洞庫】
茶室の点前畳(てまえだたみ)から亭主が座ったまま道具類の出し入れができるようにした押し入れ式の棚。洞庫棚。 [補説]道幸という人の考案ともいわれ、「道幸」または「道籠」「堂庫」とも書く。