とり‐す・う【取り据う】
[動ワ下二] 1 しっかりとそこへ置く。安置する。「大きなるかなまりを具したり。皆台に—・ゑつ」〈今昔・二八・二三〉 2 人を一定の場所に住まわせる。特に、妻として家に置く。「家にも—・ゑ、まこ...
とろ‐め・く【蕩めく】
[動カ四] 1 眠けを催して、とろとろする。うとうとする。「かく—・きて寝(い)をのみ寝給ふは」〈今昔・四・三一〉 2 うっとりする。恍惚(こうこつ)となる。「扇の蔭で目を—・かす」〈閑吟集〉
ど・する【度する】
[動サ変][文]ど・す[サ変] 1 道理を言い聞かせて理解させる。納得させる。→度し難い 2 仏が悟りの境地に導く。済度する。「菩薩、道(だう)を成(じゃう)じ給はん時に先づ我を—・し給へ」〈今...
なお‐し【猶し/尚し】
[副]《「し」は強めを表す助詞》 1 それでもやっぱり。依然として。「橘(たちばな)は花にも実にも見つれどもいや時じくに—見がほし」〈万・四一一二〉 2 ますます。いっそう。「鳥の飛ぶよりも、—...
なか‐な・る【中褻る/中馴る】
[動ラ下二]中くらいに古びる。ほどよい程度に古くなっている。「四尺の屏風の—・れたる立てたり」〈今昔・二四・三一〉
なか‐のぼり【中上り/中登り】
1 国司などが任期中に一度上京すること。「かの陸奥の守の—といふことして」〈今昔・二六・一四〉 2 上方から江戸に奉公に出ている者が、途中で一時上方へ帰ること。「是は上方者にて、はや—もすみ」〈...
なげ‐う・つ【投(げ)打つ/擲つ/抛つ】
[動タ五(四)] 1 惜しげもなく差し出す。また、捨ててしまう。「全財産を—・つ」 2 投げつける。なげすてる。「弓箭を—・ちて宣旨を下していはく」〈今昔・三・二五〉
な・す【済す】
[動サ五(四)] 1 借りた金品を返す。返済する。「借金を—・す」 2 義務を果たす。果たす。税などを完納する。「諸衛の大粮(たいろう)の米を—・さざりければ」〈今昔・二八・五〉
何(なに)をがな
何かよいものがあればそれを。何かを。「—形見に嫗に取らせんと」〈今昔・一六・九〉
なま・し【生し】
[形シク] 1 なまである。新鮮である。「—・しき鯛はいみじき物ななり」〈今昔・二八・三〇〉 2 十分に熟練していない。未熟である。「衆生の機—・しき時は感応なし」〈沙石集・二〉