いち‐ぶん【一分】
1 一身の面目。一人前の人間としての名誉。体面。「—がすたる」 2 10に分けたものの一つ。転じて、ごくわずかな部分。「衆生の中に—の仏性无(な)き者有りと云ふ」〈今昔・四・二八〉 3 自分ひと...
いち‐ろう【一臘/一﨟】
1 出家受戒後、安居(あんご)を一度終えたこと。これを法臘1歳と数える。転じて、年功を積んだ僧。最上位の僧。→臘(ろう)「金峰山の別当はかの山の—をなむ用ゐける」〈今昔・二八・一八〉 2 蔵人や...
いっ‐きょ【一炬】
1 一つのかがり火。「光明の—を点じ得て」〈漱石・野分〉 2 いっぺんに焼くこと。「征服者の—によって灰にならなくとも」〈寅彦・読書の今昔〉
いっ‐しゅく【一宿】
[名](スル) 1 一夜宿泊すること。一泊。「僧房に—する」 2 一夜。ひと晩。「—を経てよみがへりて」〈今昔・七・八〉
い‐つ・ける【射付ける】
[動カ下一][文]いつ・く[カ下二] 1 光などが、物を強く照らす。「華やかな夕日がつっとその白地の浴衣に—・けた」〈真山・南小泉村〉 2 矢を射って物に当てる。射当てる。「母から疑惑の矢を胸に...
いどみ‐ごと【挑み事】
争い事。勝負事。「仏の御弟子達もかくの如き—をし給ふなりけり」〈今昔・三・五〉
い‐ながら【居乍ら】
[副] 1 (「いながらに」「いながらにして」の形で)その場にじっとしていて。その場を動かないで。「—にして世界の情勢を知る」 2 座ったままで。その場で。即座に。「—眠り入りたりける夢に」〈今...
いな・ぶ【否ぶ/辞ぶ】
《感動詞「いな」の動詞化》 [動バ上二]断る。否定する。辞退する。いなむ。「人のいふことは強うも—・びぬ御心にて」〈源・末摘花〉 [動バ四]に同じ。「蔵人、定めて一切は—・ばむずらんと思ひ...
いぬ【犬/狗】
[名] 1 食肉目イヌ科の哺乳類。嗅覚・聴覚が鋭く、古くから猟犬・番犬・牧畜犬などとして家畜化。多くの品種がつくられ、大きさや体形、毛色などはさまざま。警察犬・軍用犬・盲導犬・競走犬・愛玩犬な...
いぬ‐やま【犬山】
山野で、飼いならした犬を使ってする狩り。「この人—といふ事をして…山に入りて猪鹿を犬に噉(く)ひ殺さしめて」〈今昔・二六・七〉