いず【何】
[代]不定称の指示代名詞。どこ。上代東国方言という。「多由比潟(たゆひがた)潮満ち渡る—ゆかもかなしき背ろが我がり通はむ」〈万・三五四九〉 [補説]接尾語などを伴って、「いずく」「いずち」「いず...
いず‐かた【何方】
[代] 1 不定称の指示代名詞。 ㋐どちら。どこ。「—に求め行かむ」〈伊勢・二一〉 ㋑どれ。いずれ。「—をも捨てじと心にとりもちては、一事も成るべからず」〈徒然・一八八〉 2 不定称の人代名詞。...
いず‐く【何処】
[代]《「いずこ」の古形》不定称の指示代名詞。どこ。「—より来りしものそ」〈万・八〇二〉
いずく‐にか【何処にか】
[副]「いずくんか」に同じ。「—舟泊(は)てすらむ安礼の崎漕ぎたみ行きし棚なし小舟」〈万・五八〉
何処(いずく)はあれど
多くの所があるが、その中で特に。「みちのくは—しほがまの浦こぐ舟の綱手悲しも」〈古今・東歌〉
いず‐こ【何処】
[代]《「いずく」の音変化で、平安時代以降の語》不定称の指示代名詞。どこ。「むかしの光いま—」〈晩翠・荒城の月〉
何処(いずこ)ともなく
どこへというあてもなく。どことも知れず。「—立ち去る」
何処(いずこ)をはかと
《「はか」は目標の意》どこを目あてとして。「上りけむ野辺は煙もなかりけむ—尋ねてか見し」〈更級〉
いず‐ち【何方】
[代]不定称の指示代名詞。どっち。どこ。「たらちしの母が目見ずておほほしく—向きてか我(あ)が別るらむ」〈万・八八七〉
何方(いずち)も何方(いずち)も
どこへでも。どこへなりとも。「—、足の向きたらむ方へいなむず」〈竹取〉