また・い【全い】
[形][文]また・し[ク] 1 完全である。欠けたところがない。まったい。「—・き衣(みけし)のごと服(け)しき」〈記・中〉 2 無事である。まったい。「わが命の—・けむかぎり忘れめやいや日にけ...
み‐ごもり【水籠もり/水隠り】
《「みこもり」とも》 1 水中に隠れること。「—に息づき余り速川の瀬には立つとも人に言はめやも」〈万・一三八四〉 2 心に秘めていること。「人づてに知らせてしがな隠沼(かくれぬ)の—にのみ恋ひや...
みずは‐さ・す【瑞歯さす】
[動サ四]「瑞歯含(みずはぐ)む」に同じ。「—・す八十(やそぢ)余りの老いの波くらげの骨に逢ふぞうれしき」〈今昔・一二・三三〉
みだれ‐お【乱れ緒】
1 乱れもつれたひも。 2 衛府(えふ)の官人が履いたわらじの一種。つま先の編み余りのわらを乱れたままにしたもの。みだれおのくつ。
みっとも‐い・い
[形]体裁がよい。打消しの語を伴い、「みっともない」と同意に用いる。「はたから見て余り—・い者じゃない」〈漱石・吾輩は猫である〉
み‐つき【見付き】
1 外から見たようす。見かけ。外観。「—の小さいホテルの入口があった」〈荷風・ふらんす物語〉 2 「みつけ(見付)2」に同じ。 3 「みつけ(見付)3」に同じ。「—の枝を折ると申すは余り心ない事...
南(みなみ)に翔(かけ)り北(きた)に嚮(むか)えども寒温(かんうん)を秋雁(しゅうがん)に付(つ)け難(がた)し
《「和漢朗詠」下から》雁は秋には南にかけり、春には北に向かって飛ぶが、かの蘇武(そぶ)がしたように、暑さ寒さの音信をその雁に託すこともできない。余りに遠くて音信不通であることをいう。
みやこ・びる【都びる】
[動バ上一][文]みやこ・ぶ[バ上二]都らしくなる。都のものらしい感じになる。「女は爰(ここ)らには余り多く見掛けぬ—・びた扮装(つくり)である」〈魯庵・社会百面相〉
冥利(みょうり)が悪(わる)・い
神仏の加護を受けられない。また、ありがたすぎて、ばちがあたる。「負債を返さないでは、余り—・いでないか」〈鏡花・化銀杏〉
むし‐づよ・い【虫強い】
[形][文]むしづよ・し[ク] 1 我慢強い。忍耐強い。「—・ふ半年余りもこらへて見たれど」〈浮・姑気質〉 2 あつかましい。虫がいい。「知らぬ顔で奉加さするは—・い穿鑿」〈浄・道成寺現在蛇鱗〉...