わび【侘び】
《動詞「わ(侘)びる」の連用形から》 1 茶道・俳諧などにおける美的理念の一。簡素の中に見いだされる清澄・閑寂な趣。中世以降に形成された美意識で、特に茶の湯で重視された。→寂(さび) 2 閑寂な...
わび‐あ・う【侘び合ふ】
[動ハ四]嘆き合う。口々に嘆く。「かぎりなく遠くも来にけるかなと—・へるに」〈伊勢・九〉
わび‐いんじゃ【侘び隠者】
わび住まいの隠者。
わび‐うた【侘び歌】
わびしい思いを詠んだ歌。「—など書きておこすれども、かひなし」〈竹取〉
わび‐こと【侘び事】
1 思いわずらう事柄。「あやしとや人は見るらむ—をたてぬきにして織る身と思へば」〈散木集・九〉 2 嘆願すること。「両方の—入り乱れて、親方駆け付け」〈浮・一代男・七〉
わび‐こと【侘び言】
《「わびごと」とも》 1 わびしい気持ちから出る言葉。かこちごと。ぐち。「いられがましき—どもを書き集め給へる御文を御覧じつけて」〈源・胡蝶〉 2 断りの言葉。辞退の言葉。「迷惑に思ひ、色々—を...
わび‐ごえ【侘び声】
わびしげな声。「暁は鳴く木綿(ゆふ)付けの—に劣らぬ音(ね)をぞ鳴きて帰りし」〈大和・一一九〉
わび‐ざれ【侘び戯れ】
困ったあげくのたわむれ。「—に、青き紙を柳の枝に結びつけたり」〈かげろふ・中〉
わび‐すき【侘び数奇/侘好】
《「わびずき」とも》茶の湯の侘びを愛好すること。また、その人。
わび‐ずまい【侘び住(ま)い】
1 世間から離れてひっそりと暮らしていること。また、その住居。「山奥の—」 2 貧しくみすぼらしい暮らし。また、その住居。「裏町の—」