わびし‐ら【侘しら】
[形動ナリ]《「ら」は接尾語》気を落としているさま。「—に猿(ましら)な鳴きそあしひきの山のかひある今日にやはあらぬ」〈古今・雑体〉
わび‐すき【侘び数奇/侘好】
《「わびずき」とも》茶の湯の侘びを愛好すること。また、その人。
わびすけ【侘助】
ツバキの一品種。花は一重で小さく、半開状に咲き、白・桃・紅色などのものがある。茶人に好まれ、茶花や庭木とされる。《季 冬》「—や障子の内の話し声/虚子」
わび‐ずまい【侘び住(ま)い】
1 世間から離れてひっそりと暮らしていること。また、その住居。「山奥の—」 2 貧しくみすぼらしい暮らし。また、その住居。「裏町の—」
わび‐ちゃ【侘び茶】
茶の湯の一。道具や調度の豪奢(ごうしゃ)を排して、簡素静寂な境地を重んじたもの。村田珠光が始め、武野紹鴎(たけのじょうおう)を経て千利休が大成。
わび‐なき【侘び鳴き】
さびしく悲しそうに鳴くこと。「秋萩の散り過ぎ行かばさ雄鹿は—せむな見ずはともしみ」〈万・二一五二〉
わび‐ね【侘び寝】
わびしい思いで寝ること。
わび‐は・つ【侘び果つ】
[動タ下二]すっかりふさぎこんでしまう。「—・つる時さへものの悲しきはいづこをしのぶ涙なるらむ」〈古今・恋五〉
わび‐びと【侘び人】
1 世をはかなんでさびしく暮らす人。「—のわきて立ち寄る木のもとは頼むかげなく紅葉散りけり」〈古今・秋下〉 2 世に用いられずわびしく暮らす人。「—はうき世の中にいけらじと思ふ事さへ叶はざりけり...
わ・びる【侘びる】
[動バ上一][文]わ・ぶ[バ上二] 1 さびしく思う。心細がる。「独り暮らしを—・びる」「人—・びて淋しき宵を」〈漱石・虞美人草〉 「つれづれ—・ぶる人はいかなる心ならん」〈徒然・七五〉 2 落...