くじ‐や【公事家】
中世後期、公事の徴収単位となった有力農民。近世初期の本百姓にあたる。役屋。
くじ‐やど【公事宿】
江戸時代、訴訟や裁判のために地方から江戸や大坂に出てきた人を宿泊させた宿屋。宿の主人は訴訟人の依頼をうけて訴訟行為を補佐することを公認されていた。公事人宿。出入り宿。郷宿(ごうやど)。
く‐じょう【公請】
僧侶が、朝廷から法会(ほうえ)や講義に召されること。また、その僧。「—つとめて、在京の間、ひさしく成りて」〈宇治拾遺・四〉
く‐すいこ【公出挙】
奈良・平安時代に官が行った出挙。租として納められた官稲を春に貸し付けて、秋の収穫後に3〜5割の利息を付けて返させたもの。元来は勧農と救貧のための制度であったが、実際は強制的な一種の税として諸国農...
く‐にん【公人】
1 平安末期以後、朝廷に仕え、雑事をした下級役人。 2 中世、幕府の政所(まんどころ)・問注所・侍所(さむらいどころ)などに属し、雑事をした下級職員。 3 中世、大社寺に属し、雑事をした者。 4...
くにん‐ちょうじゃくにん【公人朝夕人】
1 室町幕府の政所(まんどころ)で、雑役に従事した下級職員。 2 江戸時代、将軍が束帯で外出のときに尿筒(しとづつ)を持って近侍した者。
くにん‐ぶぎょう【公人奉行】
室町幕府で、諸奉行人の進退や執務に関する事務をつかさどった役人。
く‐ぬひ【公奴婢】
律令時代、個人所有の私奴婢に対して、官有の奴婢をいう。宮内省の官奴司(かんぬし)の管轄下で、労役に従事した。66歳以上は官戸(かんこ)、76歳以上は良民とされた。官奴婢(かんぬひ)。
く‐ぼう【公方】
1 おおやけ。おもてむき。公事。「和殿をもちてこそ、—、私、心安く」〈曽我・一〉 2 天皇。また、朝廷。「—までもきこしめしひらかれ」〈曽我・一〉 3 鎌倉・室町時代、幕府・将軍家をさしていう語...
くぼう‐にん【公方人】
室町時代、朝廷・社寺や幕府の政所(まんどころ)などの警護・雑務に当たった下人や中間(ちゅうげん)。公人(くにん)。