風(かぜ)冴(さ)・ゆ
風が、冷たく身に染み通るように吹く。《季 冬》「さざ浪や志賀の唐崎—・えて比良(ひら)の高嶺にあられ降るなり」〈新古今・冬〉
かぜ‐の‐たより【風の便り】
1 どこからともなく伝わってくるうわさ。風聞。「—に聞く」 2 吹く風が伝えるもの。風の使い。「花の香を—にたぐへてぞ鶯(うぐひす)誘ふしるべにはやる」〈古今・春上〉 3 ふとした折。「如何なる...
かぞえ‐うた【数え歌】
1 「一つとや(一つとせ)…二つとや(二つとせ)…」などと順に数えたててうたう歌。多く頭韻を踏む。 2 古今集・仮名序の六義(りくぎ)の一。感じたことをそのまま表した歌とも、物の名を詠み込んだ歌...
かたおか【片岡】
京都市北区、上賀茂神社の東にある山。片岡の杜(もり)。[歌枕]「ほととぎす声待つほどは—のもりの雫(しづく)に立ちや濡れまし」〈新古今・夏〉
奈良県北葛城郡王寺町から香芝市にかけての丘陵。片...
かたしき‐ごろも【片敷き衣】
独り寝の衣。「岩の上の—ただ一重かさねやせまし峰の白雲」〈続古今・羇旅〉
かた‐し・く【片敷く】
[動カ四]《昔、男女が共寝をするときには、互いの衣服を敷き交わして寝たことに対していう》自分の衣服だけを敷いて、独り寂しく寝る。「狭筵(さむしろ)に衣—・き今宵もや我を待つらむ宇治の橋姫」〈古今...
かたの【交野】
大阪府北東部の市。淀川支流の天野川の中流域にあり、住宅地。獅子窟寺がある。人口7.8万(2010)。
大阪府枚方(ひらかた)市・交野市一帯の丘陵。平安時代には皇室の遊猟地、桜の名所。[歌枕]...
かたみ‐の‐くも【形見の雲】
空にかかっている火葬の煙。「なき人の—やしをるらむ夕べの雨に色は見えねど」〈新古今・哀傷〉
かちょう‐の‐つかい【花鳥の使ひ】
《唐の玄宗が天下の美女を選ぶために遣わした使者をさす名称から》男女の仲立ちをする使い。恋の仲立ち。「好色の家には、これ(=和歌)をもちて—とし」〈古今・真名序〉
か・つ
[動タ下二] 1 できる。耐える。「淡雪(あはゆき)のたまれば—・てにくだけつつわが物思ひのしげき頃かな」〈古今・恋一〉 2 (動詞の連用形に付いて)…できる。…に耐える。「玉くしげみもろの山の...