ふじのね‐の【富士の嶺の】
［枕］富士山の燃えて火を噴く意から、「燃ゆ」にかかる。「—燃えつつとはに思へども」〈古今・雑体〉
ふたみ‐の‐うら【二見の浦】
「ふたみがうら」に同じ。［歌枕］「玉くしげ—に住む海人(あま)のわたらひぐさはみるめなりけり」〈躬恒集〉 
兵庫県豊岡市城崎(きのさき)町上山(うやま)、円山(まるやま)川下流の景勝地。［歌枕...
ふち‐せ【淵瀬】
１ 淵と瀬。川の深くよどんだ所と浅くて流れの速い所。 ２ 《古今集・雑下の「世の中は何か常なる飛鳥川昨日の淵ぞ今日は瀬になる」などから》世の中の移りやすく無常なことのたとえ。「—のならい」
ふで‐の‐うみ【筆の海】
《「筆海(ひっかい)」の訓読み》 １ 硯(すずり)の異称。 ２ 書き記したもの。また、書いたものが多いことのたとえ。「ことばの園に遊び、—をくみても」〈新古今・仮名序〉
ふゆくさ‐の【冬草の】
［枕］冬草の枯れる意から「離(か)る」にかかる。「—離(か)れにし人は訪れもせず」〈古今・冬〉
ふり‐い・ず【振り出づ】
［動ダ下二］ １ 振りすてて出る。振りきって行く。「その日しも京を—・でて行かむも」〈更級〉 ２ 声を張りあげる。「鈴虫の—・でたるほど、はなやかにをかし」〈源・鈴虫〉 ３ 紅(べに)を水にとか...
ふりさけ・みる【振り放け見る】
［動マ上一］振り仰いで遠方を見る。「天の原—・みれば春日なる三笠の山に出でし月かも」〈古今・羇旅〉
ふり‐そぼ・つ【降り濡つ】
［動タ四］雨などが降ってびしょぬれになる。「明けぬとて帰る道にはこきたれて雨も涙も—・ちつつ」〈古今・恋三〉
ふり‐つ・む【降り積む】
［動マ四］「降り積もる」に同じ。「—・みし高嶺のみ雪とけにけり清滝川の水の白波」〈新古今・春上〉
ふり‐まさ・る【旧り増さる】
［動ラ四］ますます古くなる。ますます老いていく。「あらたまの年の終はりになるごとに雪もわが身も—・りつつ」〈古今・冬〉
