もちゃ・げる【持ちゃげる】
[動ガ下一]「もちあげる」の音変化。「不気味な方面が強く頭を—・げた時」〈漱石・明暗〉
もっ‐こう【木香/唐木香】
キク科の多年草。高さ約2メートルに達し、葉は広楕円形。暗紫色のアザミに似た花をつける。インド北部の原産。根には芳香と苦味があり、乾燥させたものを漢方で健胃・整腸薬に用いる。昔は衣服の防虫剤に用いた。
も‐て【以て】
[連語]《「も(持)ちて」の音変化》 1 手段・材料を表す。…によって。…で。「我妹子(わぎもこ)が形見の衣なかりせば何物—か命継がまし」〈万・三七三三〉 2 語調を強めるのに用いる。 →もっ...
もて‐な・す【もて成す】
[動サ五(四)] 1 人を取り扱う。待遇する。あしらう。「国賓として—・す」「よそよそしく—・される」 2 心をこめて客の世話をする。饗応する。馳走(ちそう)する。「山海の珍味で—・す」「客を酒...
もとお・る【回る/廻る】
[動ラ四] 1 めぐりまわる。徘徊(はいかい)する。「鹿(しし)こそばい這ひ拝(をろが)め鶉(うづら)こそい這ひ—・れ」〈万・二三九〉 2 物事が思うとおりに運ぶ。「—・らぬ三味線鳴らして」〈浮...
もどり‐がつお【戻り鰹】
春から夏にかけて黒潮に乗って日本近海を北上したのち、秋になって東北・北海道沖から南下してくるカツオ。脂がのって美味。下り鰹。
物(もの)言(い)う花(はな)
《物の意味を解し、話をする花の意》美人。美女。解語(かいご)の花。「飛鳥山に—を見る書生の運動会」〈逍遥・当世書生気質〉
物(もの)言(い)えば唇(くちびる)寒(さむ)し秋(あき)の風(かぜ)
《芭蕉の句から》人の短所を言ったあとは、後味が悪く、寂しい気持ちがする。転じて、何事につけても余計なことを言うと、災いを招くということ。
物(もの)言(い)わぬ花(はな)
美人を「物言う花」というのに対して、草木の花。「—もをかしからず」〈浮・曲三味線・一〉
もの・し【物し】
[形シク] 1 いとわしい。気ざわりである。不快である。「いとすさまじう、—・し」〈源・桐壺〉 2 不気味である。あやしい感じがする。「夢に—・しくみえしなどいひて」〈かげろふ・上〉