ゆう‐ごり【夕凝り】
《古くは「ゆうこり」》露や霜などが夕方凝り固まること。また、そのもの。「—の霜置きにけり朝戸出にいたくし踏みて人に知らゆな」〈万・二六九二〉
ゆう‐さらず【夕去らず】
[連語]《夕方を離れない意から》夕方になるたびに。毎夕。「今日もかも明日香(あすか)の川の—かはづ鳴く瀬のさやけくあるらむ」〈万・三五六〉
ゆう‐さり【夕さり】
夕方になること。また、夕方。「—は帰りつつ、そこに来させけり」〈伊勢・六九〉
ゆうさり‐つ‐かた【夕さりつ方】
夕方。「—帰りなむとしける時に」〈古今・離別・詞書〉
夕(ゆう)さ・る
《「さる」は時がやって来る意》夕方になる。夕べになる。「—・ればみ山を去らぬ布雲(にのぐも)のあぜか絶えむと言ひし児(こ)ろはも」〈万・三五一三〉
ゆう‐され【夕され】
《「ゆうざれ」とも》「ゆうさり」の音変化。「—の空薄ぐもり」〈平家・二〉
ゆう‐ざ【夕座】
法華八講など、朝夕二度の法座のうち、夕方に行うもの。→朝座
ゆう‐しお【夕潮/夕汐】
夕方に満ちてくる潮。⇔朝潮。
ゆう‐しぐれ【夕時雨】
1 夕方に降る時雨。《季 冬》「きそひうつ五山の鐘や—/子規」 2 名香の名。沈(じん)の一種。
ゆう‐したかぜ【夕下風】
夕方、木陰や地面をはうように吹いてくる風。「夏山の—の涼しさに楢(なら)の木蔭のたたまうきかな」〈山家集・下〉