ば‐うて【場打て】
その場の空気に圧倒されて気後れのすること。「少しも—のした容子もなく、すらりと立って」〈里見弴・多情仏心〉
ば‐せき【場席】
1 人の座る場所。座席。「—の平土間にあたる所は」〈谷崎・蓼喰ふ虫〉 2 物を置く場所。事をする場所。「衣装方、男衆の忙しく立ち働く—をあけるために」〈里見弴・多情仏心〉
ひこ‐つか・せる
[動サ下一][文]ひこつか・す[サ下二]「ひこつかす」に同じ。「秘密の匂いに鼻を—・せている事実は」〈里見弴・多情仏心〉
ひし‐かくし【秘し隠し】
秘めて隠すこと。ひたすら隠すこと。「今日が日まで—にかくされていたと云う表面の事実には」〈里見弴・多情仏心〉
ひん‐だ・く【ひん抱く】
[動カ五(四)]強く抱く。抱きかかえる。「保を—・いて」〈紅葉・多情多恨〉
びわよう‐とう【枇杷葉湯】
1 乾燥したビワの葉などの煎じ汁。暑気あたりや下り腹などに用いた。京都烏丸に本舗があり、夏、江戸で、試飲させながら行商した。《季 夏》 2 《宣伝のため路上で1をだれにでも飲ませたところから》浮...
ふうわり
[副]重さを感じさせないほど軽やかでやわらかなさま。「執拗な感じを避けるために、故意(わざ)とこう、—と持ちかけた」〈里見弴・多情仏心〉
ふか‐なさけ【深情け】
異性に対する情愛の度が過ぎること。また、その情愛。「悪女の—」「惚れっぽいのが—」〈里見弴・多情仏心〉
ふか‐はまり【深塡り】
[名](スル)物事に夢中になって、その状態から抜けられないこと。「そんなひっかかりから—した信策は」〈里見弴・多情仏心〉
ふか‐まさ・る【深増さる】
[動ラ五(四)]いっそう深くなる。「情欲の執着は—・って行った」〈里見弴・多情仏心〉